うらめしや
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うらめしや

魔木子

姉御肌のお妖が格好良い

ネタバレ
2025年5月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品の中での“うらめしや”とは、オバケの決め台詞ではありません。化け物や幽霊が関わる困り事の相談に乗る稼業、つまり霊能力者のこと。
舞台は江戸時代。人並み外れた霊力を持つ“うらめしや”のお妖が、霊に関する人々の悩みを自身の能力で解決していきます。

物語は前半から中盤にかけては一話完結型のオムニバス形式。感動するもの、スカッとするもの、恐ろしい結末を迎えるものなど多種多様。教訓めいたお話もあり、身につまされます。
後半に入ると物語が転換点を迎え、お妖のライバルや宿敵なども登場。とてつもなく大きな戦いの渦に巻き込まれていきます。また、その辺りからややBL要素のある描写が増えてくるかも…。

ただ私個人としては、後半の壮大な物語よりもオムニバス形式をずっと続けていって欲しかったなぁ…。どれも秀逸な短編ばかりだったので、もっと色々なテイストのものを読みたかったです。その一点だけが残念なので、苦渋の判断で星四つ。
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