ねえ、僕がいないと死ぬって言ってよ
」のレビュー

ねえ、僕がいないと死ぬって言ってよ

utu/琴子

愛なんてものはなかった…

ネタバレ
2025年5月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読んでいる途中で原作者に気づき、「まさか…」とは思いましたが…。最後まで読みましたが、結局誰もヒロインを愛してはいませんでした。

私は『執着』と『エゴ』は違うと思っています。この作品において、ヒーローも恋敵も、ヒロインを愛していると見せかけて、結局は愛していませんでした。その証拠に、双方とも、彼女が心理的に、そして身体的に傷ついても何の感情も湧いていない。ヒーローに至っては、ヒロインがどんな目に遭うか想像できるのに、自分の目的のためならば危険な恋敵の手に渡っても構わないという非情さ。

この原作者の作品をいくつか拝読していますが、どれも心に響かず、全てリタイアしました。ストーリー的に表面上は素敵に見えるのですが、動いている登場人物たちの感情が見当たらないというか。率直に言うと、「愛」が見えない。笑って、泣いて、怒って、はしゃいで、藻搔いて、そういった感情を表現できるのは、やはりそういった感情を大切にしている人だけだと思う。
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