天使な小生意気
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天使な小生意気

西森博之

最高のヒロイン

ネタバレ
2025年5月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 天使恵(あまつかめぐみ)はひと目見た人間が皆天使かと思うほどの美少女。しかし、実は恵には秘密があった。恵は6年前までは男の子で、怪しげな老人を助けた代わりに妙な本をもらい、その本から出てきた小さなピエロになんでも望みを叶えてやると言われ、「男の中の男にしてくれ」と頼んだら女の子にされてしまったのだ!
その場にいた親友の美木以外には「恵はもとから女の子」と言われ、アルバムの写真なども女になっていた。恵は愕然とするが、ピエロが入っていた本は怒りのあまり川に投げ捨ててしまい、もとに戻れないまま6年が経って高校入学を迎えたのだ。
「俺は男だ」と言い、男らしく筋が通った「見た目美少女・中身ちょっと短気な正義漢」になった恵の高校生活が始まる。
……と、いきなりファンタジーな展開なのですが、基本は西森作品のそのまま「いいやつ・乱暴者・卑怯なやつとの戦い」が絡みつつ恵を変えた本の謎などが徐々に明かされていきます。
あとから読むとかなり初期から様々な伏線は張られており、長いですがとてもよくまとまっています。最終回はページの都合で絵本の謎が明かしきれず、その後の番外編で描かれていますが。
今日から俺は!のころからそうですが、西森先生は卑怯な手段や悪党を描くのが上手いですねーw
そして絵自体は上手い方ではないかもしれませんが、コマ割りや人物の立ち位置・表情の見せ方が大変上手い、と感じます。漫画が上手いなあ、と。
恵は中身は気持ちのいい筋の通った人なので、台詞に説得力があります。話が進んでから出てくるシーンですが、美木の亡き両親について美木の祖父に言い放った「美木が生まれただろ!」は作中屈指の名台詞。確かに!とこちらも納得せざるを得ませんでした。
終盤はきつい展開もありますが、ぜひ最後まで読んでください。感動モノです。
少年漫画のヒロインとして個人的に恵は不動のナンバーワンです。そして西森漫画最強の人はこの作品に出てくる「石の人」だと思います(まあ他作品のような高校生ではなく大人の「プロ」なんですけども)。
見所は満載です。今日俺と並んで西森先生の代表作だと思います!!
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