サスペンスとメリバの相性抜群

ある資産家の息子が死に、その重要参考人として同居していた男が警察に事情を聞かれる。そこで明かされる2人のみだらで歪んだ関係を紐解いていくお話。
Kの死から始まるこのお話、晃が警察から事情を聞かれるという形でKの不審な死を解明していくサスペンス調のゾクゾク感が、この二人の歪な関係とマッチしていてとても面白いです。
明らかにされるKと晃の共依存関係は、他者には理解し難いもの。晃を支配したかったKが、次第に晃の被支配欲を満たす存在になり、自分の支配欲に飢えていく。欲求の充足という幸せのカタチが、逆にKを死へと暴走させてしまう、真のメリバ作品です。二人の結末は、彼らにとって本当に幸せだったのか。二人だけしか分からない闇の世界観が見事に表現されていると思います。