このレビューはネタバレを含みます▼
すっごく良かった…。高評価とともに続編必須だと聞いていたので、まとまってから読もうかと思っていましたが、これ一冊でもとても良かったです。まだ描かれていないことがあって、きっとこれから物語が深まっていく期待は間違いなくあるのですが、描かれている部分が読み応えたっぷりなのでこの足りなさもまた良く、短編のような語り尽くされていない魅力を感じました。
八千代、藤次のキャラクターが良いのはもちろん、3人目の男聖人が素晴らしい。彼の人物造形に深みがあるので、すごく魅力的な三角関係になっていると思います。藤次が好きだからこそ今は離れなくてはならないという決断も聡明で心にささりました。八千代の元妻の皐月さんにはそこまで魅力を感じなかったけど、彼女が結婚そして離婚を選んだ理由はすごくしっくりきました。
一人一人の気持ちを深く掘り下げて描かれたとても良い作品でした。急がなくていいから、このクオリティの続編をずっと待っています!