このレビューはネタバレを含みます▼
先生の他作品が大好きで。なんかこれ真っ白な表紙で珍しいな?と思ったけど読んでみたら納得。
失恋のダメージが見た目にわかるゾンビ病がある世界。治療法もわからずTVのニュースで流れてくる情報だけが頼り。すごい設定だ…。
でもさ、人によっては失恋って死ぬほど辛いわけで。自分の心の支えだったりしたら、心も体も壊れるよねぇ(年取ったせいかもうならないけど…)
ゾンビ病になったレイレイを見つけて、元恋人のふりをしながら過ごすグリタ。切ない…自分を見てもらえないけどレイレイの心を癒したい一心で頑張る。手は出すけど、求められたら仕方ないよねー。
グリタの献身的な愛情で、ある日気がつく。一緒にいるのはケントじゃなくて、別の男。
さて、気付いてからはレイレイの一人称が「俺」になってる。ケントに対してだけ「僕」なのか?いや、回想シーンではケントに対しても「俺」。
どうやらゾンビ病の時だけ「僕」になってる。タイトルの「僕の好きな人」とは?ゾンビ病の時に好きだった幻のことでしょうか…???
グリタくんはこの一人称の変化には気付いていなさそうですが、作者さまには意図があるはず。いつも仕掛けがある作品を描く方です。一回読むだけでは飽き足らない。