このレビューはネタバレを含みます▼
けど、読みっぱなしに出来ないほど色々な思いが涌き出てくる感じ。
よくぞこのテーマを、この話を1巻にまとめたという驚きと、ラブコメという言葉に釣られて気楽に読み始めたときの温度差に戸惑っている。他の方も書いていますが、この話を読んで誰がラブコメだと思うのでしょうか。
こんなに純粋で真剣に愛情を交わした2人のどこにコメディ要素があるんだ…。
それは置いといて、複雑な気持ちになるのは佑が明日も生きたいと願うことが出来たときに訪れた死刑執行の日。共に生きることは出来なくとも、今まで他人との関わりを絶ってきた2人が、週にたった30分の会話を楽しみにするようになり、自分の過去と向き合う勇気を持てた矢先の永遠の別れに欲深な私はどうしても複雑な思いが残る。
佑との約束を守るために樹里が自 殺を図ることも、母親を殺そうとすることももう無いだろうけど、佑は本当に晴れやかな気持ちで逝けたのだろうか…とつい思ってしまう。
死ぬ前に愛を知ることが出来て良かったのか、未練が残るような最期を迎えて不幸なのか、私には分からないし、この先もふとしたときに考えるだろうなと思う。