ヘブンリーホームシック
」のレビュー

ヘブンリーホームシック

京山あつき

正気じゃない恋の物語

ネタバレ
2025年5月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「3番線のカンパネルラ」で圧倒された作家さん。これもすっごく良かった!ホームシックでダメダメになっているノンケ2人が身と心を寄せ合ううちに、恋ともなんとも判別しがたい感情に突き動かされていくという特殊な設定がすごく面白いです。本人たちもそれを自覚していて、「正気かどうか自信ない」「恋なんかそもそも正気じゃねえよ」のやりとりが胸に刺さりました。海外で暮らした経験があるので、異邦の地での孤独や空気感が痛いほど伝わってきて、読み手の自分さえ正気でなくなるような没入感を体験しました。帰国して、逆に孤独を強く感じ、お互いがさらに特別になるのもすごくよくわかる…。魅力的なストーリーが先生の詩的な言葉で語られる、とても素敵で心に残る作品でした。
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