【単話版】天稟
」のレビュー

【単話版】天稟

たかせりえ

和泉~~~~~~~!

ネタバレ
2025年5月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2話後編まで読みました。
とにかく画力と考証が素晴らしい!長年青年誌で描いていらっしゃったそうで、背景から小物1つまで描き込みが凄まじいです。芝は岡場所があったのね等々、お勉強もさせていただいています。

謎多き介錯人・和泉くん。
美しさの中に残るあどけなさ。世慣れた風を装っているくせに、不身持を疑われると真っ赤になって悔しさを噛みしめたり、初心な様子を覗かせる。心に甚助を憑依させて一緒にズキッとしたり「何なんだおまえは~~~~!」と絶叫しています。

2話前編までは絶対有力者に囲われてるだろ?!島耕作の「かつ子は団志郎の女だったのか」「誰もいないとは思っていなかったが」的なやつだこれ、と思ってました。甚助に声を掛けたのも屈託のない彼を汚したくなった?と考えたり。

2話後編でその疑惑は晴れたけど、どうにも切迫した状況で、自分と似た志を持つ甚助に必死に縋ってきている様子。一体何を抱えているんだろう。実の兄を手に掛けたとかじゃないといいなーー、あー気になる、放っとけない。作品内容に書かれてる「血と愛に彩られた物語」がグサグサ心を抉るんですけど。怖い。

真っ白背景に台詞回しだけの恋愛漫画や、どこから名称取って来たのか不明な転生ものが氾濫している中で(そういうのも読むんですけど)、この作品はマンガへの愛を思い出させてくれる一服の清涼剤です。平松伸二を思わせるハイカロリーな画風でBLが読めるなんて、こんな贅沢あっていいのでしょうか。早く甚助の気持ちで誌面を掻き毟りたいので、紙本が出るまで頑張って応援したいと思います。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!