ミステリ作家は恋愛小説がお嫌い
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ミステリ作家は恋愛小説がお嫌い

鳴海はこ

ほんとに読者は勝手です。ごめんなさい…

ネタバレ
2025年5月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ こちらの作家様、今回3冊目読ませていただきまして、画や構成、セリフ結構好きなんです。ストーリーも3冊とも好きでした。ほんとに…読者は自分がこれだけの素晴らしいもの書け(描け)もしないのに、好き放題勝手なこと言ってごめんなさい。これはほんとに、私個人の好みの問題なんだと思うんですが、以前読ませていただいた作品もこちらの作品も、全体的にすごく好きなんです。好きなんですけど、私にとって気になる登場人物が結構大きな比重で出てきてしまって、そちらが大きくてBLのいいところが半減させられてしまうことがありまして…。こちらの作品でいうと、椎名の元彼。物書きはどこか違った視点から物事を捉え、作品のためにうがった見方をしたり行動したりしないと…なのかもですが、普通に結構酷い人ですよね?でも、なんか2人の間を取り持つようないい立ち位置で描かれている。なんの釈明も謝罪も椎名にしていないのに。椎名の気持ちは?かなり傷ついてますよね?それを反動に、椎名は作家として成功したのかもですが、ミステリーを書くきっかけを伝えるだけなら、終盤の元彼の登場はいらなかったような…。あそこで登場させるなら、ちゃんと椎名が昔の過去をふっきれる描写が欲しかったように思います。私はこの元彼の立ち位置をどう解釈していいのかのほうがモヤモヤして、ハッピーエンドなのに…なんだか…。私のBLの醍醐味である萌えキュン切ない〜、が拭い去られました。いえ!いいんです。もしかしたら、それがとてもリアルな表現であり、そこに人間味を感じたり人の本質を感じたりする人もいるかもしれないので。ただ、私はBLに癒しとハッピーエンド+重いかもですが同性異性関係なく、人としての尊厳を求めちゃっているもので…。元彼がいっそのこと、もっと悪い奴に描かれてたほうが、スカッと読めたのかなぁ…。椎名も藤もいいキャラだし、作品は面白いと思います。そこが気にならない方は是非。
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