フィアリーブルーの伝説
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フィアリーブルーの伝説

中山星香

映画のような美しい物語

ネタバレ
2025年5月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 鳥の民と森の民という敵対する二種族が暮らす世界で、天涯孤独になった森の民の少年エル・ファリドは鳥の民のリン皇女と出会い、敵である鳥の民のもとで育ちます。
リン皇女は、鳥の民の中でも長命である直系皇族の唯一の生き残り。美しく強く圧倒的カリスマであり、エル・ファリドも成長するにつれリン皇女に惹かれていきます。
この二人の愛が物語の主軸なのですが、一方では二つの種族は、冬季(氷河期みたいなもの?)の到来という存亡の危機に面していることが明らかになっていきます。
敵対する二種族の運命と二人の愛の行く末が、透明感のある映画のように語られます。
中山星香先生の代表作の一つである「花冠の竜の国」の姉妹作品ともいえるのですが(空とぶ竜や猫に乗るか、白鷹に乗るかとか、エスターとリンの酷似性)、シリアス作品で名作です。
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