このレビューはネタバレを含みます▼
ここまで読んできて、いろんな愛の形があるんだなと思った。
別れて離れる。そうして仕事の関係にけじめをつけて付き合う。
そういう優しさもある。
編集者が恋人だと、褒められたくて、認められたくて、書けなくなってしまう。
作家の恋人のために、別れることを選んだ東雲。
孤独で壊れそうになっているよもぎを思わず抱きしめて愛さずにいられない凛。
あまりにも深く愛し、慕い、依存してしまったことに気付かず、距離を置かれたことに寂しさを募らせるよもぎ。
三者三様の愛。
どの人も切なくて、どうしても埋まらない孤独が
まるでたばこの残り香のように漂っている。
読むたびに切なくて、とても好きな作品です。