セックスアンフレンド【合冊版】
」のレビュー

セックスアンフレンド【合冊版】

相野ココ

作者買いです

ネタバレ
2025年6月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 相野先生の作品は全部大好きだけど、これはほんとに良くできたお話で、思い切り感情移入して作品の世界に入り込んでいけました。主人公の実祥が朝日とのキラキラした思い出を回想する度に憎悪を燃え上がらせる描写とか、運命の再会の後の、絆されかけては絶望するのを繰り返す心情描写が秀逸で、朝日への想いがどれほど深いかが否が応でも伝わってきて、私の方が切な過ぎて泣けてくる始末でした。もともとの性格が天性の陽キャみたいな実祥が、ここまで人を恨めるというのも、やはり朝日が特別だったことの証だと思います。朝日が何を考えて行動しているのかが分からないまま実祥視点で話が進むので、先が読めそうで読めず、めちゃくちゃドキドキさせられました。後半に朝日視点があるので謎は解けるのですが、途中までは実祥と一緒に感情がジェットコースターみたいに上下してしんどかった~。
一番ゾクゾクしたのは2人が想いを伝えあうシーン!卒業式の日の忌まわしき出来事が新たな思い出として塗り替えられる瞬間を、凝った演出で魅せて下さいました。舞い散るのは花びらだったり枯れ葉だったり、2人の姿も高校の制服だったり現在の私服だったりと、そんな中であの時言えなかった言葉が次々と実祥の口からこぼれて、最後に一番言いたかったことを言った瞬間は、長い間抑え込んでいたものがブワーッと溢れて、2人の涙も溢れて、もちろん私も号泣です。質問に答える形での告白って初めてでしたが、そこに朝日の素朴な返事がベストマッチで、もう言葉になりませんでした。
更にこの作品の素晴らしいところは、誤解が解けて思いが通じ合った先を描いて下さっていること。朝日は、傷付きたくないが故に自分の都合の良いように解釈して自己完結したり、実祥から罰せられるのを待っていたり、実祥が大事な癖にどこかズレた言動をしがちでした。このままじゃ、また実祥が傷付くことになりかねないなと思っていましたが、当て馬君の働きもあって、その辺を克服できたようで良かったです。それに何より恋人同士になって甘々な2人を見れたのも嬉しかった。もうね、表情がね、すごいんです。お互いを見つめる表情が。これは是非実際ご覧になって頂きたいです。
色々間違えちゃった2人だけれど、そのお陰で今があるなら結果オーライですよね。番外編ではプロポーズまで見せてもらえて大満足でした。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!