ライカン ―黒狼子爵に囚われた貴族―
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ライカン ―黒狼子爵に囚われた貴族―

山本ティナ

心身美しいノエルと、叩き上げカイザー

ネタバレ
2025年6月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ2作目。こちらも切なさと温かさがあり、面白かったです!先生の作品は不穏な始まりでも、それ以降は人情や恋愛の情に溢れてて、恋人を何を捨てても守る強さに多幸感を感じて、ずっと読んでいたくなります。
獣人ライカンが統治する国で、子爵カイザーも人間を下等と思い込み、没落貴族の人間ノエルを雑に扱っていたが、ライカンの貴族よりも貴族らしいその振る舞いに敬意を感じ、ノエルへの謝罪と恋心を抱く。虐げられた元貴族ノエルの、腐っても鯛な実力と誇り高さと、誇りを傷つけられる苦しみが切なく、ライカンの中では小さな体の人間の身で不遇に耐える姿がいじらしい。実力で今の地位を勝ち取ってきた努力人カイザーが、愛するノエルのため万難を排して実力で添い遂げようとする強さに守られ、幸せになる二人のハピエンがすごく良かったです。
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