夜明けまではほど遠いrework
」のレビュー

夜明けまではほど遠いrework

栗原カナ

内容が良いからこその低評価

ネタバレ
2025年6月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の美しさもさることながら、設定や内容が実に面白く興味をそそる同人作品。
気のせいかしら?デキアガッテいる商業作品とはまた違う、生き生きと、そしてのびのびとした雰囲気が感じられるのは…

魔法使いの青年×宿屋の養子。
年頃になれば当たり前のように子をもうけ、村を維持すること以外ライフプランが何もないような片田舎に、ある時、経験豊かで見識の深い1人の魔法使いが怪我を癒しにやってくる。
都会的なアサのスマートな振る舞いに、受けのテオはカルチャーショックを受けるばかり。村を守ろうとはじめはやかましくアサを威嚇していたテオだけれど、精神面で幾度となく助けられ、次第に警戒を解いていく。
自分と同じゲイであるアサは、因習ガッチガチの僻村に吹いた新しい風。思い悩んだテオは、アサの差し伸べるエッチなその手を取ることに決めたのだが………

性指向に苦しむテオが無理なく生きるこれからのことを「夜明け」とするなら、たしかに『夜明けまではほど遠い』ところで、あろうことか“完結“してしまっているのですよね…
先生いわく続きは描きたいが未定とのことなので、落胆度合い&ページ数の少なさ&お値段が低評価につながりやすいというだけのことで(ヨミホ対象。わたしは値下+クーポンじゃなければ手を出さなかった)、内容はとてもよかったです。ただ、やはり想像だけでカバーするには無理がある。朕はもっと続きが読みたい。

それはそれとして、テオを見つめる攻めの目ですよ。
ダメだろ〜そんな思わせぶりにイケメンが童貞を見つめちゃ…テオはそういうの慣れてないんだからすぐに惚れてまうで、というように、もだもだと禿散らかすソフトタッチが多数。テオはチョロそうだけれど、ほんの助けになればと手を差し伸べただけのアサは、どのようにテオへの気持ちを深めていくというのか…???←これがズバッと途切れているんですね。
商業での性描写が濃厚なだけに「本番、いや続きが欲しかった…」と評価を下げてしまいたくなるのも仕方のないことでございます。
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