弟の顔して笑うのはもう、やめる【単行本版・描き下ろし特典付き】
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弟の顔して笑うのはもう、やめる【単行本版・描き下ろし特典付き】

神寺千寿

純文学の読み応え

ネタバレ
2025年6月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ ファンタジーよりリアルに沿った義理のきょうだいの恋愛漫画。完結まで10年の大作だと知り、一気に読みました。
恋愛がメインなのに家族の葛藤がとても細かく描かれている漫画は私はあまり読んだことがなく、新鮮だった。
印象に残っているのが、幼い頃から重病だった壱也の祖父が、恋に振り回されている姿を見て喜ぶシーン。
植物のように生きようと決めていた壱也が、美羽への恋情に一喜一憂することは、親目線だと体に障るとハラハラしてしまうけどおじいちゃん目線だと、熱や煌めきを体験できることが嬉しいんだな。
シングルファーザーで必死に子育てしてきた父親の苦悩とか、胸が痛くなった。
とても重いテーマで、純文学を読んでいる気持ちになる作品でした。完結おめでとうございます。
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