古道具 伊織屋
」のレビュー

古道具 伊織屋

りんこ/三原しらゆき

2巻で終わりはもったいない

ネタバレ
2025年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ この世とあの世の狭間に位置する世界で、唯一神の手が及ばない場所として存在する古道具伊織屋で繰り広げられる不思議なお話。
とにかく、設定が面白いです。狭間の世界で神の手が届かない唯一の治外法権の場所、古道具伊織屋。世界観と設定はこの上なく上手く作られていて、伊織屋が唯一の治外法権である謎や、店主伊織の謎が好奇心を煽ってきます。
第一話の紫龍の話はとても良くできていて、キャラの設定も神に仕える神官とのやりとりもとてもテンポ良く、今後を期待させるものでした。ただ、その後、「九尾の狐と子連れの坊主」シリーズの円仁ちゃんが出てきてからはミステリアスな雰囲気が一変。円仁ちゃんは可愛いのですが、そのシリーズのスピンオフのようになってしまったのが残念でした。せっかくの独特の世界観と作り込まれた設定、ミステリアスかつシリアスなストーリー展開は、別作品として十分面白かっただけに、そのまま続けて欲しかったです。
結局、様々な謎も明かされることなく終わってしまったのが本当にもったいないです。ぜひ続きを描いてもらいたいし、最初の雰囲気のストーリー展開でお願いしたいです。
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