藤田の生首
」のレビュー

藤田の生首

小骨トモ

イマジナリーフレンド

ネタバレ
2025年6月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ これはいわゆるイマジナリーフレンドを題材にした物語の亜種だと思うのですが、イマジナリーフレンドが生首に受肉してしまっていることによって、ある種の不気味さや残酷さを伴うものとなっています。

主人公は小学校3、4年生くらいかな? 中間反抗期、ギャングエイジとも言われるその年代の児童は、徒党を組んでいじめをするようになったり、大人への反発が強くなってきます。また、未熟ながら性的な興味も芽生え始める時期です。

本書は、そうした微妙なお年頃の主人公が、イマジナリーフレンドに救いを求め一時の安心を得るだけでなく、不本意ながらも学校という小さな社会に迎合していく過程が描かれています。
その過程で、汚れ、傷つく様がリアルで、なかなかにしんどい作品です。短編で拍子抜けするくらいサクッと描いてしまっているからこそ読める題材と言えるかも。
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