不意打ちの春雷【特典ペーパー/電子限定描き下ろし付き】
黒井つむじ
このレビューはネタバレを含みます▼
終始攻めである蓮目線で描かれているので、上巻の初めの方は蓮の幼さや身勝手さに正直イライラしてしまっており、それでも高評価レビューばかりなのでネタバレは見ない程度に「ほんまかー?椿が悲しいばかりなんは嫌やぞ」と思いながらチラチラレビューを読みに戻っては本編を読み直すという失礼をぶちかましてました。
椿に告られ振ったものの悪い気はしていなかった蓮が「フッた方が相手はまだ自分を好きでいると思ってるとかは…(どう思う?」と無神経全開で同級生カップルに問うシーンがありますが、即座に笑顔で「きもっ」と言い放った女子さん、恋心を自覚したのち告ってきた蓮を一度突っぱねた椿には「よっしゃよう言うた!」と内心スカッとしてました。
すいません。蓮くん結果とんでもない成長を遂げました。
私の蓮くんに対する見方が変わったのは物語の中盤以降、椿への気持ちを自覚してからというもの、それまでの彼には無かった意中の相手へ接することに臆病になる様子や葛藤を見るにつけ、ああこれぞ恋愛の醍醐味!アオハル…!と思わせてくれたことと、当初告白してきた椿を振ったことでいっそ優位性を感じていたくらいだったのに、一転して事あるごとに椿を気遣うまでになったこと、まあこれは彼の生来の優しい性格でもあるのでしょうが、待てを覚えた大型犬は無敵!すっかり蓮くんが可愛く思えてきて、いつしか手に汗握って2人を応援している自分がいました。
「落ち着き」を獲得した蓮くんの成長は本当に目を見張るものがあります。
そして無自覚だったものの、椿が自分を好きになるより先に、本当は自分の方が椿に惚れてたんだと自覚するシーンがまた良い。
ていうか言い寄ってくる女子には一切興味持たず、あんだけ触ったり抱きついたり可愛いと思ったりできる時点でね、椿のこと大好きだよね。これが無自覚というのがまたアオハルらしくて良いのですが。
もうずっと未来永劫幸せでいてください。
素敵なお話をありがとうございました!
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