終われなかった恋の話
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終われなかった恋の話

小木カンヌ

嫉妬と恋心

ネタバレ
2025年6月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 写真を介した好きと羨ましいのせめぎ合い。

大学の写真サークルで出会った壬生と筒美。互いに惹かれていたが友人として過ごす。
卒業前にふとセック スしようとしたが失敗。
以後、連絡がとれずに10年。
後輩の結婚式を機に再会。
あの日をやり直したいと思っていた。

壬生はカメラマンとなり活躍していたが、スランプ中。
それを癒やすために、筒美は自身の旅館に連れてきた。
尊敬するカメラマンからの言葉に傷つき、写真がとれなくなっていた。
穏やかな時間を過ごしながら、少しずつ写真がとれるようになり、好きな筒美のいい笑顔がとれるようになった。
筒美と再会したら、やり直し告白したかった。
再チャレンジ、成功。互いに好きだとわかり安心する壬生。壬生の撮った写真を旅館のSNSに載せたらバズり、師匠から心のある写真だと連絡がきて、再起した壬生。

一方、筒美はゲイで壬生が好き。同時に写真も好きで、認められたいと思っていたが、学生のときから壬生への注目が多く、憧れのカメラマンのスタジオに就職が決まった壬生を素直に喜べなかった。
壬生が好き、でも羨ましい。
セック スは最後に来て、好きだけど壬生を羨まむさもしい気持ちに苛まれ断ってしまった。

就職を蹴って旅館を継ぎ、写真から離れて5年経つ頃に、壬生の活躍を喜べるようになった。

再会して、やはり壬生が好きだと思う。
落ち込んでいる彼を励ましたいと思いながら、いつも旅館のSNSの写真は自分が撮っていたが反応はいまいち。壬生の写真があがってバズり、ショックを受ける。

壬生が好き。でも羨ましい。
また、もう会わないと決めたが、今度は壬生が引き下がらなかった。

好きな人を純粋に応援できない自分の浅ましさとのせめぎ合い。嫉妬は曇らせる。
壬生が認めてくれた自分の写真。壬生の目に映る自分。
愛しさと愛される喜びが、素直にさせた。

大人の恋だなぁって思う。単純に好きだけではいられない感情の絡まり。
ハピエンでよかった。

して、素晴らしく神修正ですよ(笑)
エチシーン、なんだかわからない!がなくて読みやすかったです(笑)
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