このレビューはネタバレを含みます▼
モグリでヤクザを診る医者•ムラサキが､川辺で気を失っている少年を拾います｡喉元にチョーカー風のボイスチェンジャーを装着した不思議な少年は､自分の声を聞くと死ぬぞと言い､直後に診療所が襲撃されます｡少年はムラサキに､とある企業から開発中のデータを持ち出したために追われている､多額の報酬が約束されているので手を貸して欲しいと依頼してくるのでした｡少年を人魚姫に見立てて姫と呼ぶことにしたムラサキが､王子となって姫を守ろうと活躍します｡無戸籍でヤクザの鉄砲玉だったムラサキのポジティブさと向上心に知らず知らずのうちに惹きつけられました｡姫もまた､自分を追う組織に屈しない柔軟さと強かさを併せ持っています｡姫の秘密､ムラサキの素性､二人の関係の変化と､サスペンスフルにストーリーが展開してゆきます｡やがてタイトル通り､姫は人魚姫ではなくローレライが相応しいというところにまで集約されてゆく読み応えのあるお話でした｡
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