このレビューはネタバレを含みます▼
姉さん、事件です。
試し読みにて、見目麗しい神官がなにやら厳かに、それはもう真剣に民の股間をコキコキしているどこかズレた情景にふつふつと笑いが込み上げてきて…一体何が起こっているのかと気になり全巻大人買いしてしまいました。
なにこれ??めっちゃおもしろい。
同人誌ということもあり物足りなさ等を覚悟して読みましたが、思った以上に内容が濃く、読み応えは期待以上でした。
堅物で有能な護衛兵のレイヴンと、人気手コキ嬢改め神官のフルゥト。お互いにものすごい熱量で相手のことを想っていながら、職務上の負担を気にしての万年両片想い。だからこそのもだもだと、シュールな笑いを兼ね備えた、独特のテンポで進んでいくRPG調の朗らかなBLなのですが…
これがめっ……ちゃエロいのです。
そもそも神官の主な仕事に民の性欲処理が含まれているという異質さに度肝を抜かれたわけですが、それもちゃんと理屈は通っていて、聖なる手コキは魔物の蔓延る世界では必須スキルであると納得させられる始末。そして魔物から非合法に産出された「催いん剤」をきっかけに2人はアチアチな夜を過ごすことになるのだけれど、神官であるフルゥトは仕事熱心だし、レイヴンは「分水嶺(境界、分かれ目)」というタイトルにもある通り公私をきっちり分けるタイプなので、想いが通じ合った後もなかなか一筋縄では行かないのであって…そのズレっぷりがまた切なくもおもしろいのです。
正式に連載していただきたいくらい気に入りましたが、同人誌だから描けるおもしろさなのかもしれません。
※そういえばフルゥトの*に一部修正がかかっていなかった。入ってなければセーフなんだ??と思ったり思わなかったり。