ヴァムピール
」のレビュー

ヴァムピール

樹なつみ

続き、待ってます!

ネタバレ
2025年6月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 樹なつみ先生の作品の中でも1、2を争うくらい好きです!人間の汚さと清廉さ、人外の美しさと残酷さをまざまざと見せつけられますが、どのキャラも憎めないし、考えさせられるストーリーばかりです。
ヴァムピール=吸血鬼モノでもありますが、オリジナル設定によって独自の世界観が築かれているので、先が読めなくておもしろいです。
物語の導入としては、飛び降りに巻き込まれた高校生のリョウが『見えないはずのモノ』、幽霊やバケモノを見るようになるところから始まります。そして『同じ』である笙(しょう)と出会い、自分が半分死者になってしまったことを知り。。。という展開。
最初だけ読むと、この2人が主人公で幽霊退治や人助けをやっていくのかな、と思いきや、エピソード1の次がエピソード0!ここで3人目の主人公と言える笛吹が登場し、一気に展開が読めなくなりました!
この作品ではヴァムピールはエネルギー体のような存在で肉体を持たないため、相性のいい人間の身体を乗っ取り、乗り換えていくという設定になっていて、それによって人間とヴァムピールの関係が協力したり敵対したりと、複雑になっているところがおもしろいです。そして、樹先生の画力で描かれるド迫力のヴァムピール・カンタレッラが美しい!!
注意点としては『未完』だということです。長らく続きが出ておらず、その間、他の作品は描いておられるので、再開の見込みは薄いのかな、と。
『未完だと知らずに読んじゃった!続きが気になって仕方ないじゃないか!!』という方には、続きではなく前日譚にあたる特別編があることをお知らせしておきます!こちらは男爵(バロン)がメインの、19世紀ロンドンが舞台なので、まさに吸血鬼らしいストーリーが楽しめます!!
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!