アデル~全てを奪われた令嬢は復讐を誓う~
」のレビュー

アデル~全てを奪われた令嬢は復讐を誓う~

綾瀬/葵井瑞貴

面白い、けれど設定の甘さが目立つ

ネタバレ
2025年6月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵が綺麗で読みやすいです。
最初に『異能』という重要と思しき設定が出てきたので、異世界ファンタジーのジャンルとして読んでいました。
しかし、途中で『フランス革命のような市民の武装蜂起』という言葉が出てきた事で、ん??となりました。
フランス革命の背景には、市民への重税や貴族の奢侈、更には産業の発展などといった様々なファクターが絡むにも関わらず、それらが一切書かれていません。
主人公も、市民の武装蜂起を止めようとした、というような記載がありましたが、武装蜂起の理由が曖昧なためか、どう止めようとして止められなかったかも分からず、後半に行くほどうーん…と首を傾げる事になりました。
雰囲気で読み流すならいいのですが、一度疑問を持ってしまうと、時代考証や世界設定などが薄っぺらく感じてしまいます。
正直、『フランス革命のような』という世界史に実際にあった出来事を異世界ファンタジーに組み込もうとしなければ、そこまで気にならなかったと思います。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!