召喚された気象予報士と溺愛王太子の謎解き空もよう
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召喚された気象予報士と溺愛王太子の謎解き空もよう

高月紅葉/木村タケトキ

気象予報士の異世界転移に惹かれたけど

ネタバレ
2025年7月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 結構肩透かしな話でした。
王子×日本では気象予報士の仕事をしていた青年の、異世界転移ものです。

異世界転移の受け主人公のBL作品はよくあるものの、大抵は普通のサラリーマンとか学生なので、気象予報士って面白そう!と思って買いました。
しかもその地の異常気象について調べていくうちに、王子と恋仲に……ていう話しなら、きっと現代科学の気象についての知識や経験を元に何か災害を防いだり、原因を特定して国の発展に繋がったりとか、無双する系の話かなと勝手に期待してしまいました。そして王子はその聡明さに惹かれていくとか。

しかし実際の話としては、ただ王子が受けの真面目さやピュアさに惹かれてアタックし、受けも受け入れて恋仲に。気象予報士としてはとりあえず研究段階で時間もかかるので、特に成果はなし。なにか災害を防ぐとかもなし。召喚された理由である邪教の組織に攫われて、すぐに王子に助けられて結ばれる。邪教の組織も解体、で話は終わり。

気象予報士である意味は??研究基質で真面目、ていう性格に王子が惹かれるにしても、気象予報士設定要りましたか?確かに研究は時間がかかるものなのでリアルではあるんでしょうが、現代物の作品ならまだしも、異世界転生や転移ものでその職業を推した作品なら、ある程度それが活かせる形で何かあるのかと思うじゃないですか。何も無かった。

2人の心が通っていくサマを穏やかに書いた作品ではあると思いましたが、異世界転移と気象予報士の設定から得られる期待感からはズレていました。
邪教の話や魔法の話等がむしろ結構ありましたが、設定が多く語られて居ないためあまり飲み込めず。最後は申し訳ないですが読み飛ばしました。

話の書き方自体は嫌いではありませんが、個人的には特に面白いと思わない作品でした。
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