地獄くらやみ花もなき
」のレビュー

地獄くらやみ花もなき

路生よる

アオジマイコ先生の表紙絵で心臓を鷲掴みに

ネタバレ
2025年7月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 壱から捌迄のどの表紙絵も妖艶で奇怪で、恐いもの見たさで頁を捲ってみたくなって困ります。
西條皓(しろし)と紅子(べにこ)は罪を犯したことが未だない人かもしれませんが、登場人物の誰もが大なり小なり何らかの罪を犯しています。
遠野青児(とおのせいじ)も何か罪を犯しているようですが、彼は罪を犯した人が其の罪に相応しい化け物の姿となって見えます。
已むに已まれぬ罪というのはあるのかもしれませんが、此の小説に出てくる罪人たちはそうではありません。犯さなくて済んだはずなのに、態々罪を犯してしまっているように見受けられます。
現実の世でも、他の道を選択することができた筈なのに、最も最悪な選択をする人が如何に多いことかと誰しもが感じています。
人というものは斯様に愚かなものでしょうか?一生を掛けて己の精神性を高め人間性を高めるのが本来の人としての生き方です。
愚か者の為したことを反面教師とすればいいのでしょうか?人はともすれば楽な道を歩もうとします。楽な道は善き道かということを常々考えるべきなのでしょう。
西條皓と遠野青児が共に歩んだ道は如何なる道か、怖いもの見たさで寄ってらっしゃい見てらっしゃい。
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