阿・吽
」のレビュー

阿・吽

おかざき真里/阿吽社

絢爛たる歴史絵巻で終わったかな...

ネタバレ
2025年7月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 同時期に唐に渡り密教を齎して日本の仏教をドラスティックに変えた両雄、最澄と空海の物語。最澄は天台法華、空海は真言密教と立場を異にし、ド派手な密教の儀式で衆目を集め、朝廷が必要とする土木建築の知識も惜しみなく提供してどんどん影響力を拡大する空海。法華経による衆生済度を純粋に説き軋轢を生む最澄。対照的な生き方の2人だけれど、最澄は空海に弟子入りし、空海はその最澄の大きさに感服し、阿頼耶識で繋がり時代を超えて共に祈り続けるという、素晴らしい時代絵巻。
2人の仏教世界の絢爛たるヴィジュライズも圧巻。
なのだけれど、経典の言語化という部分がおざなりにされているようです。言葉を超えた深み、高さにたどりつくべき精神世界ではあるのですが、イメージばかりだとフワフワしてしまい、ファッション仏教に見えてしまいます。命がけで遣唐船に乗り経典を集めてきた2人ですから、ギリギリなところまで言語化していかないと思想として納得できないのですね。残念です。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!