このレビューはネタバレを含みます▼
まずはお話の概略から。雛人形職人の卵でコミュ障ぎみのごじょーくんは、クラスメイトのまりんちゃんに頼まれて彼女の為にコスプレ衣装を仕立てます。そこからまりんちゃんとごじょーくんの二人三脚でいろんなコスに挑戦し、出会いがあり学びがあり、イベントに参加して、最終的にはコミケで話題を掻っ攫いメディアが競って捜索するほどのコスを披露するに至ります。
以降は本気でネタバレ。最終刊まで全部読みました。ハニエルのコスの後のギクシャクから一転して互いの気持ちを確かめた二人。あの二人のストーリーに余計なカタルシスは要らないなと改めて思いました。だからこそ、高二の修学旅行とかハニエルの顛末とか、いろいろまだ書けそうなことも全て切った。終わってみればそれらがなくてよかった。二人が付き合い始めた後の紆余曲折は全て蛇足になってしまうのでしょう。
最終刊に物足りなさを最初は感じたものの、今は納得できてます。まりんちゃんはママになっても好きなことを自由に追いかけてゆくし、周りも巻き込んでみんなで楽しんでゆく子だし、ごじょーくんはどこまで行っても、ザ・職人。二人の未来を少しだけ見せてもらえてほっこりしました。
でも最後にひとつだけ。二人はハニエルコス封印しちゃったのかしら?それはそれで勿体なかった気もしなくもない。ほとぼりが冷めて、現役モデルのまりんちゃんと新進気鋭の雛人形デザイナーごじょーくんの名が世間に知れ渡った後なら、タネ明かしとしてまたやっても悪くないよねと……