死に戻り令嬢ヴィオレッタ・マルタンが愛されるのを諦めて好きに生きたその顛末。
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死に戻り令嬢ヴィオレッタ・マルタンが愛されるのを諦めて好きに生きたその顛末。

鱧永あるひ/道草家守

こんな結末になるとはね!

ネタバレ
2025年7月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインの後悔が逆行させたと思いきや、ヒロインを愛していた人の強い想いこそが奇跡を起こした、という話は他でも見たことありますが、こちらも良かった~。
逆行前の記憶を保持しているのがヒロイン&ヒーローだから、2人分の思いかもしれませんが。

逆行前の記憶を保持しているのは自分だけと思いつつ、ヒロインは今度こそ自分の夢を叶える為に努力して騎士になり、ヒーローはヒロインの幸せの為に昼行灯の振りをして周囲を油断させつつあらゆる手を尽くし、一度目はぼんくらだった王太子も、二度目はヒロインとの初対面時に叩きのめされたことでぼんくら脱却しようと努力し、だからこそヒロインも助けようと思ったのかな。傲慢ぼんくらのままなら、助ける義理無いですしね。

ヒロインが結果的に初恋のヒーロー以外にも大勢の人に愛されるようになったのも良かったし、ヒーローがヒロイン処刑によって闇堕ち魔王みたいにならなかったのも良かったし、王太子も宰相の傀儡にならずにヒロインとヒーローという信頼できる側近を得て幸せになれそうなのも良かった!二度目の王太子にとっては、心から信頼できる側近という存在を得たことが何より幸せな気がしますのでね。

冤罪で処刑された令嬢と、愛する人を冤罪による処刑で喪った元騎士と、襲撃者から庇ってくれた婚約者に酷い言葉を吐いてみすみす処刑させた王太子の三者とか、通常ならヒロイン&ヒーローによるざまぁの王太子の図しか無さそうなのに、こんな幸せな結末になるなんて、買ってみて良かったです。
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