このレビューはネタバレを含みます▼
作品紹介に社会派サスペンスとあったので硬くて暗い内容かと思ったら、意外にもジェットコースターのような展開で思いがけず胸がスカッとしました。
2部構成。前半は東横キッズの七瀬がどのような思いで汚い大人と社会の中で生き抜いてきたか、後半は歳をとり知恵をつけた七瀬が遂げる華麗なる復讐劇。
東横キッズと呼ばれる子供達の生態や歌舞伎町というやさぐれた雰囲気が生々しくノンフィクションかと思うほど引き込まれました。登場人物達も七瀬の審美眼で敵と味方を選り分け後半に生きてくる構成も◎。曲者揃いですが歌舞伎町にしか生息していないような人物達でなかなか面白く、まともな大人が1人も出てこない底辺っぷりも好きでした。
後半は一転して華麗な復讐劇に。七瀬の度胸と美貌と知恵を最大限に駆使していく様子はエンタメ全開、胸がスカッとして自然と七瀬を応援したくなります。また、前半得体の知れなかった登場人物達が息を吹き返す様が伏線回収のようでお見事でした!
文章もテンポが良くサクサク読めます。レビューでこの作品を知りましたが良作に出会えて嬉しかったです。