毒を喰らわば皿まで
」のレビュー

毒を喰らわば皿まで

十河/斎賀時人

綺麗事だけじゃ物足りない人に

ネタバレ
2025年8月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ まさにタイトル通りの作品でした。
ストーリーとしては1巻でハッピーエンドとして締められています。
2巻〜は断罪回避後の他国を交えた話と1巻のストーリーの補足です。
BL設定を抜きにしても異世界系ミステリー小説として面白く非常に読み応えのある作品でした。

とはいえちゃんと濃いBLもたくさんあります。大丈夫です。
BLノーマル様々なカップリングが登場しますがどれも推したくなるCPばかりでした。

主人公である悪の宰相アンドリムが定められた死を回避するために、敵も味方も犯してきた罪も、己自身でさえ利用し尽くして運命をねじ曲げ、シナリオのメインキャラ等に情け容赦のない報復をするストーリーが痛快です。
まさに清濁併せ持った腹黒い宰相というキャラがブレてなくて魅力的でした。
パートナーとなる騎士団長ヨルガのアンドリムへの憎悪からの独占欲と溺愛もたいへん美味しかったです。
そして、そうなるようにアンドリムという毒と悪を、正義を掲げるヨルガに望んで喰らわせるために、画策し言葉巧みに絡め取っていく様がゾクゾクしました。

1巻読了後、燃え尽きてしまってなかなか次に手が伸びず。
そのくらい読んだ後の余韻が凄まじかったです。
2巻以降も読み始めると面白くて続きが気になり4巻まで一気に読んでしまいました。
早く続きが読みたいです。

追記
5巻読了。感想は、、お見事、やられた‥。
月日が流れアンドリムの終わりの日に近づている中での他国への赴く。5巻の締めくくりに痺れました。
1巻ラストにちゃんと繋がっていて、更に深みが増しストンと腑に落ちる感じでした。
アンドリムとヨルガの絆を再度深く感じられます。
そしてもう一つの見どころは、ちっちゃいヨルガとアンドリムみたいなキャラのCPです、めちゃくちゃ尊い。
2人のイチャコラがもっともっと見たかった。
1巻エンディングになるまで、あともう少し時間があるから、願わくば、もう一味欲しい!と望んでしまいます。
野暮かな、欲張りかなぁ。
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