芋くさ令嬢ですが悪役令息を助けたら気に入られました
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芋くさ令嬢ですが悪役令息を助けたら気に入られました

七浦なりな/桜あげは/くろでこ

6巻

ネタバレ
2025年8月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 登場するキャラ全員好き。悪役の皆様も適度に役割を果たしてとっとと退場し適切に処罰されてくださり有難う。
ヒロインは実家でも社交場でも酷い目に遭い続けて、特に多感な時期を信用できる人間に出会わずに過ごしていたにも関わらず、性格が歪んでいない!ヒロイン補正が強い、これはもはやヒロインチート。でもそんなキャラが可愛くてずっと見ていられるし、作中の全ハッピーのハブにもなるキャラで、ある意味ヒロインとしては完璧。一昔前は魔法少女変身パターンか、メガネを取ったら美人パターンでしたけど、厚化粧を落としたら美人って令嬢物にちょいちょいありますね(今作は芋草令嬢ですが悪役令嬢は化粧が濃かったりする)、王道のヒロイン変身パターンは不変の設定というわけですね。
一話一話の幕間に各キャラが持つ魔法が簡潔に描かれていて、それも楽しかったです。主なキャラたちはそれぞれ異なる個性の魔法を持っていて、これ考えるの楽しかっただろうなーと思いながら、読んでいる私もとても楽しかった。
ワイバーンとお馬さんも可愛いし、彼らがヒロインの愛情を素直に受け取ってくれるのも嬉しい。キャラと魔獣(?)の男女比もバランスがいい感じで、登場人物の関係性がそれぞれ爽やかなのもよかった、精神的に大人同士の関係って感じで。ロビンと王女でさえお互いの野心のために一緒にいるみたいな雰囲気だったので、感情的に依存しあうようなキャラがほとんどいなくてよかったです。
長年理不尽な目に遭ってきたとはいえ、天才で善人の領主夫妻が本気を出せば人間関係でも無双できるというご都合的展開ではあるけれども。脅威のある辺境なので共通の敵がいるという前提で一致団結できる、この設定が効いているのが読みやすさの一因かもしれないです。素直に読めました。6巻までのストーリーは非常に楽しかったです。絵も好きです、キャラデザは悪役からモブまで全部好き。
ナゼル様が、本来のポテンシャルで美しさも板についてきた頃のアニエスちゃんに「頑張り屋さんの芋くさ令嬢の君も好き」みたいなことを言うのが感動しましたわ。彼の回想絵も綺麗なアニエスちゃんじゃなくておてもやんのアニエスちゃんばかりなのが良くて、一生懸命さや健気さが伝わるアニエスちゃんの表情がすごく良くて。ストーリーと絵と、両者の噛み合い方と、自分の好みに刺さった作品だったと思います。
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