星降る王国のニナ
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星降る王国のニナ

リカチ

⭐️どんな結末になっても応援してます⭐️

ネタバレ
2025年8月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 圧倒的にセト派が多いようで私もセト派でしたが17巻まで何度も何度も読み返すうちにアズ派に。アズとセトはニナを想う次元が違いますよね。アズは、アリシャや獣の神がニナを狙っていることや、自分を犠牲にしても皆を守るというニナの宿命のような性格を知っているからこそ、自分が身代わりになってニナの宿命を代わりに背負おうとしています。それは心を意図的に閉ざすことができるアズにしかできないことで、ニナがそんなこと望んでいないことも多分分かっているし、ニナの気持ちが自分から離れてセトに行くことや愚王とされて名誉も何も残らず死んでいくことも覚悟の上での行動です。アズは全てを捨ててもニナが幸せに生きる未来を守るという次元の想い。アリシャに入ってた獣の神の傀儡の力のせいなのか考えすぎな性格のせいなのか、一度迷いが出てニナから目を逸らして傷つけてしまったけど、アズは国を守る使命もあるし、自分のアイデンティティの揺らぎもあるし、あの時は自分を見失ってしまったんだと思う。セトは、星の力のことも世界を滅ぼす程のものではないと思ってる節があるし、ニナが何か重い宿命を背負っていることは考えていなそう。無視できないニナの本質なのに、瞳の力なんて関係ないとただニナだけを見つめて寄り添って支えるという感じ。普通の少女漫画ならそれでハッピーエンドで、ニナが宿命を忘れて生きるならそれで充分ですが、アリシャ(復活しそう?)や獣の神が絡んでますから、アズのように泥を被る覚悟がないとニナは守り切れないと思います。でもセトの不器用で真っすぐな愛と美しい容姿、戦闘力、意外とポンコツな可愛さにキュンキュンさせられてしまう訳なのですが、結局はアズに捨てられたと思っているニナの傷心の隙を狙って振り向かせようとしている意図があって、アズがまだニナを想っていてわざとニナを遠ざけていることに気付いていながらニナには伝えないズルさがあり、本当の意味で寄り添っている訳ではない感じがします。そもそも命云々ではなく色恋事な想いです。でもこれからセトもアズも変わるでしょうし、ヒカミ、ソル、トート、ダイタスはじめ全キャラ魅力的で大好きなので、誰と一緒になってもならなくても良いです。編集者の意向がSNSに振り回されて大人の事情でリカチ先生が描きたいことを断念しなくて済むように願うだけです。とにかく、どんな結末でも大好きな作品なので応援してます!
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