執事の分際
」のレビュー

執事の分際

よしながふみ

時代物を描かせたらとにかく上手い

ネタバレ
2025年8月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ フランス革命の動乱期の中、名門貴族に仕える執事とその主人の恋愛を描いたお話。
よしなが先生の描く時代物は、とにかく歴史的観点とその時代に生きる人たちの描写がとても上手く、いつもその世界観にどっぷりと浸かれます。ヨーロッパでは特にフランス革命期に造詣が深く、革命前の優雅な貴族の日常と動乱の最中で時代の変調に巻き込まれていく上流階級の様子が見事に表現されていると思います。また、よしなが節とも言える、プライドが高い人、ちょっとワガママな人、贅沢に慣れきっている人が、妙に貴族とマッチしていて、すべての人物が生きていると感じられます。
物語はシノワズリの血が入ったクロードが執事として仕えるお話。アントワーヌとの恋は革命があったからこそ成就したものであり、それまでの貴族と執事らしい彼らのやりとりはまさにフランス人らしいエスプリに満ちたものだったと思います。よしなが先生の時代物にはハズレなしと言える作品です。
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