てぺとる!~てっぺんとったる!~
」のレビュー

てぺとる!~てっぺんとったる!~

凡乃ヌイス

元気を貰える心に響く物語。

ネタバレ
2025年8月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品には愛と夢と希望、笑いが詰まっています。
何気ない言葉に、何気ない日常の一コマに誰かが救われることもあります。読んでいて元気を貰える心に響く物語です。

お笑い芸人のオーディションの過程とか先輩芸人、ライバルとの関係等淳太と亮の二人がてっぺんを目指すお笑いのことと、二人のLOVEのことが上下巻で余すところなく描かれています。
主役の二人だけではなく、脇を固める人達もそれぞれキャラが立っているのもこの作品の魅力です。

上下巻の作品は名作が多いと言われていますがこの作品もまさしく名作です。
「6と7」とは全く趣が異なるこの作品を読んで更にヌイス先生のファンになりました。

好きなことを仕事にしてその仕事で頂点を目指す。好きな人とコンビを組みその人の隣で二人で同じ夢を目指して頑張るなんて誰にでも出来ることではないです。

コンビを組んでお笑いの夢を追いかけ続けて来た淳太。ところが相方の転機でコンビ解散の危機になります。その相方が淳太と高校時代の後輩亮の話ぶりを見てコンビを組んだらと軽く言ったら何と亮が本気になりました。
亮は高校生の時に先輩だった淳太に救われて淳太のことが好きになったのです。

親の言う通りに本人曰く面白くないエリート街道を歩んて来た亮が初めて母親に歯向かいら大手の内定を蹴って、淳太が好きで一緒に居たいために右も左も分からない世界に飛び込んだのです。

自分は亮とは対象的な明るくて心優しく、一緒に居ると楽しい淳太のキャラが大好きなので応援したくなります。亮が成績優秀で培った経験でお笑いを作って行こうとしても上手く行くはずはないのですが、それを最初から否定しないところも淳太の良いところです。エリートながら実は天然ボケキャラだった亮と夢を追いかける姿がとても眩しく映りました。

亮の好きの本当の意味に気付いていてもコンビのために気付かない振りをしていた淳太。コンビ故に恋愛感情が邪魔になってギクシャクしたこどもありましたが何とか乗り越えて二人で迎えたクリスマスイブでの淳太の告白の台詞が最高に素敵でした。

ラストは数年先のお話で夢の舞台に今から立つ二人を変わらずに応援する仲間達と二人の家族の応援風景が描かれていて安心しました。

あとがきは先輩芸人の結婚式でラブラブな二人が楽しめます。
読後感もとても良くて何度も読み返したくなるおすすめしたい作品です。
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