翼を持つ者
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翼を持つ者

高屋奈月

擂文の寿への想い

ネタバレ
2015年1月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ わたしも終盤まで、あれほどの深くて切なくて、涙がでそうになるくらいのかけがえのない存在へむけている想いなのだとは気づけませんでした。本当の意味で、擂文が寿へ発していた愛の言葉を受けとめきれていなかった。それに気づかされた時にこのお話がより好きになりました。
むずかしいファンタジーは得意でないですがこのお話は比較的読みやすかったし、ファンタジー特有の冒険のワクワクと舞台となる世界の虚無感、そしてその世界で懸命に生きようとする寿とそれに寄り添う擂文の魅力に押されてイッキ読みしました。

主人公の寿が決して特別な力を持つ少女でなかったことも良かったなぁ。でも、彼女はみんなが忘れていた何かや無くしてしまいがちな心を持っている。行動することが出来る。ある意味得難い存在。いつまでも彼女が擂文と幸せに、仲間ともワイワイして暮らして行けます様に、と思います。
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