それでも愛を誓いますか?
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それでも愛を誓いますか?

萩原ケイク

30代夫婦の危機

2025年8月29日
専業主婦になって社会から隔絶し経済力をなくした妻の寄る辺なさとか、横暴な父親を見て育った夫の親になることへの不安とか、昇進をほのめかされて果たされない時の失望とか、老いた親への愛情と嫌悪感の入り混じった気持ちとか、きょうだい間の不平等への不満とか、現代人が多かれ少なかれ感じているだろう心情が非常にうまくすくい上げられている。一回りも年下の若い男にまっすぐな思いを向けられるのは読者に夢を見せようとしているのだろうが、男の性格や主人公にひかれていく過程を丁寧に書くことで無理を感じさせない。荒唐無稽の同義語としてのマンガ的なところがほとんどなく、迫真性で読ませる作品
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