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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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  • 氷の城壁 単行本版【フルカラー】

    阿賀沢紅茶

    心の解像度高し
    2026年5月1日
    すごくよかった。思春期の頃の家族や友人、彼氏彼女といった人間関係の中で否応なく味わわされる苦かったり甘酸っぱかったり苦しかったりするあれやこれやの心の動きが繊細にしかも明快に捉えられてて、解像度ってことばがこれほど似合う作品もそうない。
    そしてなによりこんな幸せそうな両思いの瞬間、見たことないかもってくらい感動的だった。心が洗われたなああ…傑作だよこれは。
  • 終の退魔師 ―エンダーガイスター―<無修正ver.>

    四方山貴史

    エロス控えめな菊地秀行
    2026年4月24日
    異能バトルものの中では呪術や魔人などの道具立てやグロ描写好みなところなど、ほかの有名作に似たものがあるが、画力が群を抜いて高いので類似作のように分かりにくいところもなくスラスラ読める。そしてお色気(死語)がプラスされているのが特徴。あっこれでお色気がハードになったら、バイオレンス&エロスで鳴らした懐かしの(といっては失礼か)菊地秀行の世界じゃありませんか…!彼も映画好きだったよなあ。
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  • ラプソディ・イン・レッド

    あみだむく

    野生の天才
    2026年4月17日
    寅雄は天才なんだな。野生の天才だ。漫画らしいむちゃくちゃさがいっそすがすがしい。
    それはともかく、ジャズピアニストの福居良は18歳でアコーディオンを、22歳でピアノを弾き始めたそうだから、18でピアノを始めた寅雄のようなケースも、ありえないとは言い切れないのかもしれない。もちろん、車にふっとばされてんのにピアノ弾くとかはありえんけどw
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  • あした死ぬには、

    雁須磨子

    リアルすぎて
    2026年4月16日
    こんなにも中年を赤裸々に描いていいんですか!?リアルすぎてところどころいたたまれなくなってしまいました。それくらいよくできてました。それでもラストはほんのりとさわやかに、前向きにしめくくる、そのさじ加減が絶妙です。実力のある作家さんですね。すごいです。
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  • 神客万来!

    ねむようこ

    ラストがね…
    ネタバレ
    2026年4月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 納得感がもう一つです。このラストにするなら、鬼の世界をあんなふうに描いたのはまずかったのでは。なぜいまさらあそこに戻りたいの?と思ってしまう。彼が帰りたいと思える場所に描いておくべきでした。
    とはいえ、各エピソードは誰もが知るおとぎ話や伝説の主人公をうまく使ってしみじみする話にしたててあって、作者の腕はたしかです。
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  • 東京トイボクシーズ

    うめ(小沢高広・妹尾朝子)

    手に汗握るeスポーツの青春
    2026年4月10日
    格ゲーにかける蓮と真代、高校生2人の波瀾万丈の成長物語。勝負の世界に生きる若者の物語ってやっぱり熱くてさわやかでいいねええ。周りの大人もいろんなタイプ、あれこれの思わくが描かれてておもしろい。2人の知られざる関係のあやも劇的。
    話が進むとなんとなく蓮の顔もかわいくなってきたような…のは気のせいか?
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  • 関根くんの恋

    河内遙

    すごくおもしろかったのだが
    ネタバレ
    2026年4月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 美形すぎて子供の頃から性的対象にされてきたためにまともに恋をしたことのない関根が、初めて恋心を自覚して、とまどいつつ奮闘するーーという話のメインはすごくおもしろかったのだが、気になる点がいくつか。
    まず関根の見た目。超絶いい男という設定だけど、そこまでと思えない。未成年の頃は美少年だけども。
    それから紺野夫婦が交換をするつもりだったという設定。そして、絵に描いたようなチャラ男だった堂島が急に一途になったこと。
    細かいことでは、登場人物たちの職場と住まいの位置関係。なんかやたら近くにみんな住んでる?
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  • 彼女を守る51の方法

    古屋兎丸

    手頃な長さでためになる
    2026年4月3日
    首都直下型大地震が起きたらどうなるかを描いたフィクション。余震、液状化、火災旋風など物理的なものから、パニック、暴動、レ◯プ、宗教団体の暗躍などの社会心理的なものなど、地震発生以降起こりうるさまざま悪影響を、専門家の監修のもと描いていてためになる。守る方法が51あったかは数えていない。
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  • 六人の嘘つきな大学生【プラス1】

    浅倉秋成/大沢形画/杉基イクラ

    大事な謎が残念
    2026年4月1日
    有名企業のただ1人の内定者を決めるディスカッションで、優秀で善良だったはずのみんなの裏の顔が暴かれていくーー。就活ではないけど、自分もディスカッションさせられて人事に録音されたことがあるから身につまされた。就活の理不尽さ、全人格を問われてるかのような居心地の悪さとか、一面だけ見て人を評価することの危うさとか描かれてて、かなりおもしろかった。
    ただ、大事な謎の解が不自然で、「いやそれはヘンでしょ」って心の中でつっこんじゃった。ミステリーって読者の予想を外さないといけないから無理が出るね。ラストもちょっと分かりにくかった。減点して⭐️4で
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  • 【推しの子】

    赤坂アカ×横槍メンゴ

    よくできたエンタメ
    2026年3月30日
    話の縦糸は、母親殺しの犯人探しと復讐に燃える転生者の物語。そこへインフルエンサーやリアリティーショーといった現代のエンタメ業界の仕組みや裏側、芸にかける若者の昔ながらの根性ドラマ、いろんなタイプの美少女との恋の鞘当てなどの横糸を絡める、非常に良くできたエンタメ。
    個人的にはツクヨミいない方が良かったと思うので⭐️4
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  • ただ離婚してないだけ

    本田優貴

    人をてっとりばやく結びつけるには
    2026年3月30日
    なりゆきで人を殺してしまい、それを隠すためにさらに殺人を重ねるという話の大枠が『マイホームヒーロー』と同じだけど、あちらは動機に同情すべき点があるのにくらべ、こちらはただの身勝手。
    殺さなかった場合の結末まで描くのは、むかし流行ったアドベンチャーゲームブックみたいだなあ。あのときこっちじゃなくてあっちを選んでいたら…って。近年、複数ラストを描く作品が増えてきてる気がする。作家の責任としてどちらかを選んで出してほしい。あやふやにしてどっちとも取れるようにするのも潔くない
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  • 令嬢エリザベスの華麗なる身代わり生活

    よもも/江本マシメサ/雲屋ゆきお

    全体にぎこちない
    ネタバレ
    2026年3月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 読んでいて展開がぎこちないというか、何かはしょられているような印象を受ける。原作を漫画に落とし込むのがうまくいっていないのか、そもそも原作がこんななのか。失踪してた令嬢が戻ってきてやたら暗躍するけどツッコミどころが多すぎてがばがばだし、ラストのほうで男が変態っぽくなるのも、それとくっつくのも、失踪令嬢が実の母親と暮らすのも、どれもこれも唐突で、雑で…。
  • こないでコウノトリ

    たかせうみ

    産むも産まぬも大変で幸せ
    2026年3月24日
    母と妹が出産で命を落とし、産まない選択をした主人公。不妊治療の果てに養子を迎えることを選んだ友人。幼子を抱えて苦労するシングルマザー。出産・子育てを巡ってさまざまな境遇の女性たちがそれぞれに葛藤を繰り広げる、出産・子育て苦労絵巻。
    親や夫からのDVって深刻だなあとおぞけをふるいました
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  • 前略、山暮らしを始めました。

    濱田みふみ/浅葱/しの

    不思議な味わい
    2026年3月20日
    それぞれ事情があって山暮らしを始めた人たち。彼らの共通点は、祭りの屋台で買った生き物たちが奇妙な成長を遂げたことーー。もっとドタバタが起きてもよさそうな設定だけど、屋台の生き物たちの成長の謎に飼い主たちが関わっていることがほのめかされるだけで、はっきりしたことはわからないまま、山村で起こるささいなトラブルへの対処が淡々と描かれる。そのゆるさに不思議な味わいがあって、読まされてしまう。飼い主たちの心の傷もこのゆるさに静かに癒やされているんだろう。特にユマがかわいい。
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  • 教養として学んでおきたいニーチェ

    岡本裕一朗

    まあまあ
    2026年3月20日
    途中、同じことを繰り返したりでやや整理できてないと感じられる所もあったが、教養として、つまり一通り知っておきたいというニーズに応える本としては、まあ及第点という感じだ。
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  • 「最強!」のニーチェ入門 幸福になる哲学

    飲茶

    現代のプラトンかな?
    2026年3月13日
    著者が悩める社会人のアキホちゃんの話し相手になる対話篇方式でニーチェの思想を解説していく。永劫回帰、超人といったニーチェのおどろおどろしげなキーワードを、アキホちゃんの誰もが抱きそうな悩みに引きつけて説明してくれるのでとっつきやすく、語り口も普段の会話で使うようなやさしい言葉遣いなのでとても分かりやすい。ニーチェ理解としてどの程度当たっているのかは分からないけれど、生きづらさを抱えていた著者に生きる力をニーチェが与えてくれたことも伝わってきて、胸を打つ。
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  • 力の在り処

    榎本ナリコ

    孤立から自立へ
    2026年3月5日
    社会のレールからはみ出してしまったけれど、特定の仲間と一緒にいる時だけは特別なチカラを発揮できる、そんな小超能力者たちが一人また一人と集まる水滸伝的な展開がアツい。
    彼らを束ねる男の謎を追ううちに彼らのチカラの秘密が明らかになって、そうだったのかと驚かされる。
    SF的装いをとっているけど、主眼はさまざまに傷つき孤立した人々の心のさまを描き出すところにあって、そこにこの作者ならではの筆のさえがある。ラストはこの作者としては珍しく前向きでさわやかだ。
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  • 復讐カレシ~溺愛社長の顔にはウラがある~【コミックス版】

    真田ちか/森田りょう

    こまかいことは気にしない…
    ネタバレ
    2026年3月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ イケメン若社長が、太った陰キャだったころの自分を振った主人公に偶然再会したのを幸い、助けるフリをして復讐しようとする。でもやっぱり主人公のことを憎みきれず、ただ助けてしまうってところが人間味があっていい。主人公が、いくら痩せたからって目の前のイケメンがあの陰キャと同一人物と気づかないところとか、振ったときのセリフとか、大事なところが腑に落ちないんだけど、まあそういう細かいことは気にしない。
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  • 竜くんのサイコな求愛 ~お嫁さんにしてあげる~

    玄田げんた/白雪ぽめこ/テラーノベル

    毒虫たちのバトルロイヤル
    2026年2月26日
    出てくる人間のほとんどがイカれたモンスターで、そいつらが欲望の赴くままに人を殺していく。5歳児なのに大人顔負けの殺人鬼が複数出てくるなど、ツッコミどころは満載だけど、野暮なことは言いっこなし、このテンポのいい毒虫たちのバトルロイヤルを楽しもうじゃありませんか。
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  • アオイ君の猥談がたまらない!!

    mmk

    BL千夜一夜
    2026年2月23日
    同居させてもらう代わりに毎日猥談を聞かせるというアオイ君は言わば現代のシェヘラザード。千夜一夜物語と同じ古典的な枠組みだけど、漫画でやった人はすぐには思いつかない。漫画としては斬新と言っていいんじゃないか。異世界転生だの冒険者だの悪役令嬢だの、同じ枠組みを共有する作品があふれかえってて食傷気味ないま、個性的な枠組みはポイント高い。しかもゲイがBL猥談を腐女子にというのがひねりがきいてる。これでどこまでおもしろい話をやれるかだが、とりあえず期待を込めて星4。
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  • アイツノカノジョ

    肉丸

    いろいろとものたりない
    ネタバレ
    2026年2月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ タクトが雫に告白した理由はリクと雫がカップルになったら自分だけ置いていかれるからってことなんだけど…そしたらタクトと雫が付き合ったらリクが離れていく可能性が出てくるのでは?まあリクが雫から離れることはできないと踏んだのかもしれないけど、それならそう描かないと。

    雫の病気も具体性がなくてリアリティがない。毎度元気にリクに迫ってるけど、どこがどう悪いの?

    絵も、女の子の顔の描き分けがあまく、髪色と髪型でしか区別できない。

    総じて、話が薄いのを女の子のサービスショットで補強して、それを繰り返しているような印象。
    最初の方はいいと思ったんだけど、期待ほど伸びなかった作品。
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  • さんかく窓の外側は夜

    ヤマシタトモコ

    オカルト+パーティーバトル+BL
    2026年2月23日
    死者、呪いといったオカルトの道具立てはけっこう怖くてgood。なかなか核心を明かさず引っ張る話の運びも見事。最後は愛と友情が炸裂して大団円。BLみは個人的には好みじゃないけど薄味なんで許容範囲。
  • サバエとヤッたら終わる

    早坂啓吾

    下ネタは永遠に
    2026年2月21日
    毎回毎回下ネタで、よく続くなと思う。岩谷テンホーを思い出した。まあ若い頃ってそっち方面で頭いっぱいだったりするしね。女友達にドキドキしたりムラムラしたりして、ワンチャンあるかもと思っては肩すかしってのも、青春の一ページ。男は多かれ少なかれ思い当たる節があるのでは。きらいじゃない。
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  • 宵待ちの微熱

    櫻沢菜奈/紙屋シキ

    生煮えのおかずを詰め込んだような
    2026年2月19日
    当て馬や親友の掘り下げがあまくて、中途半端。特に親友の方は何かまだ語られてないことがある感をぷんぷんにおわせていたのに、明らかにならないまま完結してしまった。打ち切りなの?
    メインの彼氏の気持ちの移り変わりもなんだかぎこちなくて、話にのっていけない。
    高齢処女と遊び人とか、イケメン御曹司とか、よくある萌えそうなネタを生煮えのまま詰め込んだ感じ。
    夏の季節感が画面から全く伝わってこないのも残念だった。
    よかったのは、主人公のコンプレックスのスレンダーぶりを彼氏が「折れそうで興奮する」って思うところ。生々しくてリアルだし、主人公にとって救いになる。
  • 鉄鳴きの麒麟児

    塚脇永久/渋川難破

    おもしろい麻雀漫画と思うんだけど…
    2026年2月18日
    麻雀漫画は配牌からツモから全部作者の思うがままなので、読んでて興ざめなことが多い。けどこの作品は、ネット麻雀とリアル麻雀の違いとかなるほどと思わされる点があったり、子どもの顔を思い浮かべて冷静になったり子どもに赤ウーピン弁当を作ったりといった主人公のズレた子煩悩ぶりなどキャラの生きがよかったりでおもしろい。主人公に限らず子を思う父親の気持ちがやたらリアルなのは、そういう年代の男性をターゲットにしているんだろうなあ。
    ただ、全く回収されずに終わってしまった予告やほのめかしがある点は不完全燃焼。続編でどうにかなるのかな?
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  • あげくの果てのカノン

    米代恭

    恋をするのも楽じゃない
    2026年2月3日
    妻は夫の心変わりを押し留めようと奮戦するが果たせず消えない傷を負う。不倫相手は男がクズだとアタマではわかってもどうしても思い切ることができない。男も好きで変わったわけでなく世のために働く中で深手を負い続けた結果だし、長年思い続けても振り向いてもらえない男もいる。女にとっても男にとっても生きること恋することはしんどい。
    ザマァとかでいっときスカッとさせるのも、成長とか前向きとかのお行儀のいい話で希望を与えるのもそれぞれ漫画の大事な役割の一つだが、現実さながらの苦さを味わうことを求めてくるこんな作品もあっていい。
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  • 本物のカノジョにしたくなるまで、私で試していいよ。

    wano/有丈ほえる/緋月ひぐれ

    虚構を生きる
    2026年2月2日
    タイトルが秀逸。退廃的で胸をざわつかせる。リアリティーショーの登場人物となって虚構の恋を生きる主人公に本物のカノジョはできるのか? うまくやればおもしろくなりそう。
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  • どうも、悪役にされた令嬢ですけれど

    /佐槻奏多

    最後が惜しかった
    2026年2月2日
    原作を読んでないからか、別にテンポが悪いとは思わず。シャーロットの祝福が単純な魅了でないこと、その効力から破り方まで、一工夫あって好感が持てたし、総じて途中までおもしろかった。けど、セリアンからポエムが聞こえない理由など、大事なことがラストで一気に説明されて、とってつけたようになってしまって残念。もう少し伏線の形で仕込んで置けたらよかったと思う。
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  • JKからやり直すシルバープラン

    林達永/李惠成

    説教くさい
    2026年2月1日
    主人公の考えがきれいごとにすぎ、漫画として浅く説教くさく感じられて、どうにも入り込めない。ギャグもそんなにおもしろいわけでもなく、絵もやや古い気がするなど、特にいいところを見つけることができなかった……すまん。
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  • P.ハート~女性小児科医・藤咲夏季の挑戦~

    中山亜純/直遊紀

    医療マンガ入門編
    2026年1月28日
    医学の素人は知らないかもしれないような子供の病気のあれこれを題材に、手際よく短めの物語にまとめている。病院経営のなまぐさい話もあったりしてなるほどと思う。行動力のある主人公がひと暴れして問題を突破していくのがみどころだが、さほど大きなドラマもなく、また荒唐無稽なところもなく、バランスがいい。
    それはそうと、タイトルの意味ってどこかに描いてありましたっけ? P.は小児科医pediatricianのことかな
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  • セックスなんか興味ない

    きづきあきら/サトウナンキ

    喜びも苦しみも性とともに
    2026年1月25日
    悲しかったり苦しかったり、うれしかったり楽しかったり、性と心の関わりのいろんなありかたを描く短編集。榎本ナリコが孤独で痛々しく、少年期中心で文学的とすれば、こちらはもう少し散文的というか日常的で親しみやすく、年齢層も幅広い。
    2巻の後書きが、性の抑圧や隠蔽がかえって性への関心を高める機微を描いていて、やっぱそうだよなあと思わされる。
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  • 家政婦クロミは腐った家族を許さない

    きづきあきら+サトウナンキ

    理想の家族を求めて
    2026年1月20日
    黒見は超優秀な家政婦で凄腕の暗殺者。しかも理想の家族を作り守るためならその一員を殺すことも厭わない。崇高な目的と凶悪な手段とのギャップがおもしろい。作者はクズな欲望を描くのがうまい人で、そんな欲望を抱いた連中を冷徹に始末していく黒見の手際にスカッとする。どうしてこんな暗殺家政婦ができあがったのか、話が進むにつれて少しずつ明らかになっていくのも楽しみだ。
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  • 猫のお寺の知恩さん

    オジロマコト

    知恩さんが魅力的
    2026年1月15日
    知恩さんはおとなしくしていれば楚々とした美人だけど、実は小さかった頃のままの、ちゃめっけもたっぷり残している。それでいてまだ二十歳になるかならずなのにいろんなものを守り支えようと静かに耐えている。境遇から性格、表情、笑い方に至るまで、すごくよく練られている感じで、作者にとっても会心のキャラなんじゃないかな。それに比べると源は彫りが浅い気がするけど、知恩さんを際立たせるにはこのくらいがちょうどいいかもしれない。
    昼間はツンデレの素質十分で、特に源の手を取った場面がよかった。
    二次元でしかない女の子から生身を感じさせる、作者の柔らかい線はお見事。田舎の四季の風景や動物もうまくて、セリフや擬音がなくても絵だけでなりたってる。

    作品紹介では知恩さんは三つ年上となってるけど、源の高一の2月に知恩さんは二十歳になり、源は翌3月の誕生日で16歳だから、四つですね。
    あと、知恩さんについて、源は大おばさんの孫とし、おばあさんは源とは従兄弟の従兄弟で血のつながりはないと言ってて、文字通り取るとかなりややこしい関係を想定しないといけなくなるけど、それはこの作品に合わない気がする。これは本当は、親がいとこ同士の源と知恩さんはいとこよりも血のつながりが薄い(だから結婚に支障はない)、くらいのことが言いたいんじゃないかと思うけど、どうだろう。
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  • 嫌われ令嬢は銀の王子に甘やかされる~復讐から溺愛までお任せください~

    冬森雪湖

    細かいこと気にせず楽しむべし
    2026年1月12日
    銀髪碧眼の美青年シリウスはなんと性◯隷!それを没落貴族令嬢が買い取るところから物語は始まる。絵がそれほどでもとか、話の細かい部分のリアリティとか、細かいこと気にせず、つらい状況にある美男美女の山あり谷ありの恋物語を楽しめばよろしい。一途に思い合う二人が尊いですよ。
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  • 僕と魔女についての備忘録

    三つ葉優雨

    想いは時を超えて
    2026年1月8日
    色っぽい美人だけど抜けたところがある魔女さんと、魔女さんに育てられる幼い捨て子の男の子の、それぞれのかわいさをまずはめでるべし。年上のきれいな女の人への少年の憧れや、少女の叶わぬ恋、転生によって継がれる想いなど、いろいろと切ないエピソードを巧みに織り上げて、時を超えた想いの成就を無駄なくコンパクトに描き切ったとてもいい作品でした。
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  • 傷痕王子妃は幸せになりたい

    majoccoid/えとう蜜夏

    すべてが平均点
    ネタバレ
    2026年1月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ほどほどにかわいそうで、ほどほどにハラハラさせられ、ほどほどにせつなくて、ほどほどにじーんとさせられ、ほどほどにきれいでかわいくて…話も絵もすべてが平均点。長さもほどほどで、ここまでほどほど感のそろった作品は珍しい。ほめてます。
    巻き戻りものとしては、以前の世界のことを覚えているのが本人だけでなく家族もってところがやや珍しい。
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  • ポーの一族 ユニコーン

    萩尾望都

    大家の筆は冴えわたる
    2026年1月2日
    大家の筆は衰えを知らず冴えわたっている。アランのピュアさをはじめ、耽美的でミステリアスで最高。ヨーロッパの文化の勉強もかつてより進んでいるらしく、物語の厚みを増している。絵柄がシャープになったぶん、エドガーの顔がちょっときついと感じるのだけが気になるところだが、これはもちろん個人的な好みでしかなく、作品の瑕瑾ではない。
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  • ポーの一族 ~春の夢~

    萩尾望都

    まさか新作が読めるとは
    2026年1月1日
    言わずと知れた名作の新シリーズ。話の内容ばかりでなく画面からも夢見るような雰囲気を漂わせていたのが旧作だとすれば、新作はそういう雰囲気を残しつつも、絵柄がよりシャープに変わって、話の内容もサスペンス風味を増している感じ。ポー以外の一族も登場し、吸血鬼の謎が明らかにされていくのか?今後の展開が楽しみ。
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  • 独身貴族は異世界を謳歌する ~結婚しない男の優雅なおひとりさまライフ~

    錬金王/駒鳥ひわ/三登いつき

    ある意味やおい
    2025年12月18日
    読む人を選ぶ作品。おひとりさま生活に強く憧れててそれを見てるだけで楽しいという人向け。そうでない人にとっては、現代日本のそれが異世界で再現されてるだけで話にヤマもオチもないので、読むイミもない。他人と暮らしている人間にはわからない何かを気づかせてくれる物語になっていればおもしろいんだろうけど、冷蔵庫、コーヒーミル、一人焼肉、バー、喫茶店……それがなにか? 前世で孤独◯したのにまたおひとりさまを望むという筋金入りぶりはいいけど、また孤独◯しても他人に迷惑かけない手だけは打っといてほしい。ただの幼児的な自己中心性なのか、成熟した大人として一人を選んだのか、その辺が分かれ目だろうから。
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  • 夢見る男子は現実主義者

    おけまる/吉北ぽぷり/さばみぞれ

    少年の夢が覚めるとき
    2025年12月15日
    若者らしい根拠のない自信が崩れ、燃え尽きた少年の心理の描写は精緻で侮れない。家族からの自尊心を傷つけるような声かけが遅効性の毒のような影響をもたらすのもうまい。少年が真剣に告白して振られてから完全に冷め切ったモードに移行するのは、『滝口入道』で滝口が横笛の嫁取りを父親に願い出て拒絶されたあと、出家して横笛からの哀願も受け付けなくなるのを思い出させる。
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  • トレース 科捜研法医研究員の追想

    古賀慶

    法医学で真実に迫る
    2025年12月15日
    兄が自分以外の全家族を殺して自裁し、ただ一人生き残った少年が科捜研の研究員になり、事件の真相を探る物語。隠れた意外な真実を法医学で明らかにするという、『きらきらひかる』に犯罪を絡めた感じ。まあまあ面白いが、星が伸びないのは、あまり盛り上がりを感じないので…もっと主人公側が追い詰められるフェーズがあるとよかったかも。たとえばヒロイン(と言えないほど影が薄い)がこ◯されるとか…。
    追想という題だけど、語り手が過去を思い出して語る体ではない。
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  • その着せ替え人形は恋をする

    福田晋一

    自分の「好き」を貫く
    ネタバレ
    2025年12月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 自分の「好き」を貫くことの難しさと尊さを描く。ついでに陽キャ美少女に好かれて付き合うという陰キャ男子の夢もかなって大団円。
    恋にも芸にもライバルが登場しない微温的な世界でやや物足りないが、主人公とヒロインが力を合わせて大きな成功を勝ち取るクライマックスは読み応えがある。成功したが故に2人に危機が訪れるあたりの筋の運びはうまいし、その危機を乗り越えてから一気にハッピーエンドに駆け込むのは無駄がない。
    さらなる社会的な成功へ向けて開かれた扉にヒロインが自ら背を向けて、仲間内の楽しみの世界へ帰っていくのもいい。自分の好きは誰かのためでも誰かにウケるためでもないのだ。
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  • ギラギラ

    土田世紀/滝直毅

    土田世紀にしては絵も話もイマイチ
    2025年12月7日
    ライバルたちが主人公に屈していく成り行きがやや安易。せっかくやたら高圧的な義兄を出したのだから妻の実家を掘り下げてもよかったのではとも感じる。顔の描き分けもあまく読みにくい。土田世紀は実力派だと思うが……星二つ寄りの三つ
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  • やめろ好きになってしまう

    もりぐちあきら

    陰キャ男子の疑心暗鬼とドキドキ感
    2025年11月18日
    陽キャ美少女の好意を信じ切れずに疑心暗鬼に陥る、のだがやっぱりドキドキしてしまう。そんな陰キャ男子の心のキビをうまく描いている。この時期が一番楽しいというか、生きてるって感じがする時かもね。でもなんで一軍女子がこの陰キャを好きになったのかわからん。バスケやってるときに背中と背中がぶつかってから気になりだしたらしいのだが、チョロすぎないか。中高生ってこんなもの? 疑心暗鬼のドキドキを描くことがメインで、きっかけは大事じゃないんだろう。
  • 王子様の友達

    すけろく

    おもろかわいらしい
    2025年11月17日
    いろいろデッカい美少女は王子様と呼ばれて女子にモテまくり。幼なじみの少年は、モテるすべを彼女に教わろうとするが、彼女の指導にはどこか違和感が……というお話。
    少年のことが好きな美少女が、モテ指南にかこつけて自分がしてほしいことをさせるのがかわいらしい。ギャグも普通におもしろい。

    ⭐️四つつけたいけど、連載第一回の2ヶ月前によく似た設定の漫画が出てるので三つ
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  • 【合本版】大正もらい婚~10月の花嫁は姉を愛する義兄に嫁ぐ~

    彩綺いろは/グルナ編集部

    葛藤→いい子パワー→解決!
    2025年11月17日
    いい子の主人公が虐げられているが、その善良さで周りを魅了して幸福になるという、王道中の王道を行くお話。それが悪いとは言わないが、他人との葛藤があると主人公がいい子パワーを発揮してあっさり相手が改心して解決! の繰り返しが安易かつ単調で、さすがに曲がなさすぎる。
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  • センチメントの季節

    榎本ナリコ

    若さと性と心と
    2025年11月14日
    中学生から大学生までの、大人になる直前の若者の性にまつわる心の痛みの諸相を繊細に描く。連載前半の読み切りも刹那的な少女たちの思いを切り取る形式として悪くないが、後半、続きものになってからのほうが掘り下げが利いていてより読み応えがある。登場人物たちがそれぞれに抱えた欠落を埋めようともがいたあげく破綻を迎える第7巻が全巻の白眉で、作中人物の詠む短歌は作者オリジナルだそうだがかなりの出来栄えだ。
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  • バクチグイ

    野﨑花一/吉田史朗

    よくある博打もの
    2025年11月13日
    失踪した兄を助けるため、生きて帰った者はいないと言われる都市伝説的な博打の勝負「沼」に身を投じる青年の話。絵はきれいだし、話も(多少首を傾げたくなるところはあるにせよ)まずまずだが、万事あっさりしたり中途半端だったりで、スッキリしない。所詮庶民は大きな力に翻弄されるだけの弱い者という思想が作品の根底にあり、大逆転の大勝利なんてものはなくて当たり前なのだろう。それはリアルとも言えるが、そもそもの設定が荒唐無稽なので、痛切に身につまされるわけでもない。薄味な作品。
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  • 聖モエスの方舟

    榎本ナリコ

    理屈抜きの解決
    ネタバレ
    2025年10月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公が犠牲となって解決をもたらす型の話。その場合、その犠牲が解決となる理由が必要だが、この作品にはないため、読者は急に放り出されてしまった感じを受ける。「願いの力」がそれだと言われても、なぜ主人公にそんな力があるのかが不明。主人公がそんな力を持っていることが作品世界の中の理屈で裏付けられておらず、いわゆるデウス・エクス・マキナ的なものになってしまっている。
    星二つ寄りの三つ
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  • だから僕達は幼馴染を辞めた。

    あおみ現場/書峰颯

    若い頃はいろいろありました…的な
    ネタバレ
    2025年10月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 男女3人の幼馴染の間に恋愛感情が芽生えるが、嫉妬やエゴ、劣等感などのせいでしっかりとしたコミュニケーションがとれず、こじれてしまう。しかもその裏には部外者の無責任な干渉があって…という話。
    登場人物それぞれの特徴がきちんと設定してある感じは好感が持てる。しかしその掘り下げが粗く甘いと感じる。それはカジュアルに読める物語を目指した意図的なものかもしれないので、そこは減点しない。
    それよりも、幼馴染の女の子の壊れっぷりがさすがにそうはならんやろという感じで興ざめ。画力があれば押し切れたかもしれないが、このライトな絵では説得されない。
    なにより、3人の関係をこじらせる原因を作ったうえ、その後もいろいろと迷惑(という言葉では足りない)かけた人物と家族ぐるみの付き合いになるのもありえない。こういう現実にはありそうもないことを読者に信じさせるには絵や話の力が足りない。
    足が不自由だとペダルが踏めないだろうが、それでプロのピアニストになれるものなのかも気になる。
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  • 歌集

    榎本ナリコ

    歌から物語へ
    2025年10月17日
    流行歌や教科書に載るような短歌や唱歌に触れて、何かしらの思いをかき立てられた人々の物語を集める。作者のレベルでいえば、既存の歌に込められた主題を作者なりに受け止めて、その主題を表現できる新たな物語を作り出しているわけで、神話や童話を題材にした同じ作者の『寓話ーアレゴリア』と同じ手法と言える。既成の素材の再生、再解釈がうまい作者だ。
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  • 少女ゴーレムと理科室の変人たち

    榎本ナリコ

    まだ展開しきっていない感じ
    2025年10月16日
    そこそこおもしろいのだが、この作者にしては心の掘り下げが甘い感じがして食い足りない。媒体がホラー誌だから? それよりも、後書きによるとまだ描きたいことがいろいろあるらしく、それらを読まなければ作品世界の全貌が明らかにならないと見る方がいいのか。続きを描いてほしい。
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  • 制服を脱いだら

    奏手ユミチ

    型のミルフィーユ状態
    ネタバレ
    2025年10月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 谷崎や川端も好んだ母の身代わりの娘のテーマを軸に、養父と養女、教師と生徒、さらには恋人に男をあてがうというネトラセ(未遂)も重ねるという、話の型のミルフィーユ状態だが、特に違和感なく成立している。
    母親の身代わりとして接するうちに、男が娘と母親の違いに否応なく気づかされた結果、娘を愛するようになる展開はいいと思う。やはり誰しも、誰かの身代わりでなく、自分自身として認められるのであってほしいから。

    タイトルは、制服を脱いで母親の形見のワンピースを着て身代わりを演じるというのが主たる意味だが、高校を卒業したら結婚するという意味も読み取れそうなハッピーエンドだ。
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  • とつくにの少女

    ながべ

    話をまとめることの難しさ
    2025年9月26日
    サバトの牡山羊を思わせる獣頭の男と、無邪気な幼女の二人暮らし。男は女の子を大切に守っているが、呪われた身である彼は彼女に触れることができないーー。
    古い寓話のような陰りのある物語で、かすれたような絵柄も物語にふさわしく、非常に雰囲気のある作品。途中まではその雰囲気に浸ってとても楽しめたが、終わり近くにそれまでの設定を覆したり、過度にぼかしたラストにしたりして、話の着地点をうまく見つけられなかったように見えるのは大変残念で、星を伸ばすことができなかった。話を終わらせるというのは難しいことなのだなと改めて思った。
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  • 七瀬さんの恋が異常

    東雲とむ

    執着愛の行方
    2025年9月24日
    凡庸な男がマッチングアプリで出会った美人女子大生に猛アタックされるが、彼女は実はーーというお話。何の取り柄もない男がこれといった理由もなく美女にモテるのは男性向け漫画の定番で、読者に夢を見せるという漫画の役割からして別にかまわないが、いちおうこの作品ではそれなりに理由が用意されている。主人公が美人女子大生と付き合ううちに自分も彼女と同じ⚪︎⚪︎ー⚪︎ーになってしまうのはご愛嬌。似たもの同士、末長くお幸せに。
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  • たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。

    杠憲太/藍藤唯/霜降(Laplacian)

    どこにも魅力がない
    2025年9月24日
    キャラにビジュアル的にも性格・属性的にも魅力がない。エピソードも弱い。人間関係の描き方も浅い。主人公が〈職業〉を誰かに譲渡した件が回収されずに終わったのは、原作が継続中なのに漫画が終わらねばならなかったからだとすればしかたないが、そこを割り引いても面白くない。
  • 僕だけを見てくれ

    ひとりぼっち

    循環する三角関係
    2025年9月24日
    少年A→少年B→少女→少年Aという、全員が片思いの循環する三角関係のお話。片思いの相手の幸せを願うことがかえって不幸を生むという皮肉な状況が描かれる。榎本ナリコの『スカート』をよりシンプルにしたような話で、読みやすくわかりやすい。
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  • ピチカートの眠る森

    幸村アルト

    少年少女の癒やしと立ち直り
    2025年9月24日
    心に傷や重荷を背負った少年少女が妖精たちと一夏を過ごす中で癒やされ、立ち直っていく物語。ハリネズミの妖精がユーモラスかつあくまで優しく紳士的で思いやり深く、彼がいる限りこの子たちにひどいことは起きないだろうと安心して見ていられた。やさしい気持ちになれるいい話。妖精の足音が「ロンッ」というピチカートだというのはとてもいいと思うが、何か元ネタはあるのだろうか
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  • チ。―地球の運動について―

    魚豊

    知性礼賛ではない
    ネタバレ
    2025年9月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 地動説を追究した人たちが迫害されるさまを描くフィクション。ただし、地動説=科学=知性=真実=正義、天動説=宗教=妄想=虚構=悪という単純な二項対立ではなくて、知性偏重の危険性も描き込んである。そのために同名の人物を再登場させたのが得策だったのかは判断の分かれるところだろう
  • 狂蝕人種

    室井まさね

    B級ホラー映画のノリ
    ネタバレ
    2025年9月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 人間にしか感染しないウイルスが生み出す異形の不死身モンスターに襲われる主人公たち。外国のリゾートの島は過酷なサバイバルの現場となる、という話だが、モンスターの造形や能力がワンパターンなので飽きてしまう。日本人である主人公たちだけは感染しても人の姿と人格を保てるという新展開はあったが、掘り下げも謎解きもなく、唐突な感じであっさりと終わる。打ち切りなの?
    とにかくグロいモンスターが出てきてこわい〜というシーンを続ければいいんでしょという安直な作りはB級ホラー映画のよう
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  • 鬼ゴロシ

    河部真道

    超人的タフガイの凄絶な復讐劇
    2025年9月7日
    妻子を殺され、自らも頭を撃たれて意識不明のまま、妻子殺しの罪を着せられて15年の月日を刑務所で過ごした男の凄惨な復讐劇。超人的なタフガイがどんどん人を殺していくところが興味の中心だが、鬼の伝承の残る土地の秘密とか、敵の組織の敵も現れての三つどもえの抗争劇の行方など、飽きさせない。
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  • アイアムアヒーロー 完全版

    花沢健吾

    風呂敷をちゃんと畳んでくれ
    2025年9月5日
    30代半ばの青年漫画家の仕事や恋の悩みをリアルに描く日常系の作品かと思ったら、いつのまにかゾンビパニックホラーになっていた!日常の中に少しずつ不穏な気配を混ぜ込んでゆくさじ加減が絶妙で、大きな方向転換も違和感を感じさせない。その後はとにかくゾンビが怖いし、さえない漫画家が趣味の銃でヒーローになっていくさまが痛快で、ページを繰る手が止まらない。これで広げた風呂敷がちゃんと畳まれたら名作だったのに…。
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  • おとりよせ王子 飯田好実

    高瀬志帆

    お取り寄せの品の宣伝
    2025年9月2日
    食品お取り寄せにはまっている主人公が次々と食レポを繰り広げる。結局、お取り寄せの品の宣伝以上のものではないかな。そこに振り切ったことを評価する人にはいい漫画。
    一話だけ、主人公が食や料理にこだわる理由に触れた回があり、かろうじてストーリーを伴う漫画にしたてた意味があった。
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  • 榎本ナリコ+野火ノビタ

    榎本ナリコ

    熱心なファンなら読んでもよい
    2025年9月2日
    同人作品や初期作品の集成。この作者らしく丁寧な後書きがあって、そこで本人が認めているように、絵、話ともに未熟さは明らかで、作品よりも後書きの自己解説に意味がある。
    熱心なファンなら読んでおきたい。
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  • 失恋未遂

    高宮ニカ/イアム

    3組の大人の恋
    2025年9月1日
    1組目は最悪の別れ方をした元カレと職場で再会。2組目は卑屈で酒癖の悪いポチャ子とイケメン。3組目は塾講師女性とバイト講師時代の元教え子。
    1組目は若さゆえの未熟さと捉えておきたい。
    2組目の女性の酒癖にはちょっと無理がある気もする。
    3組目の男はけっこう悪い男だが、女も応じているのだから同レベル。破れ鍋に綴じ蓋といえよう。
    長すぎると感じた。時間潰しにはいいかもしれない。1組目の兄嫁が泣いたのはほったらかし?
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  • DOCTOR PRICE

    有柚まさき/逆津ツカサ

    医師限定の人材紹介業
    2025年8月31日
    感じ悪い主人公がなぜそんなに金を稼ぎたいのか、ただの守銭奴なのか、それともーーという、ブラック・ジャック以来のよくあると言えばよくあるお話。医師限定の転職支援という仕事を知らないので興味深かった。
    プロ野球のドラフト候補だったという設定がほとんど生きてないのはもったいない気がした。8年間昏睡状態にあってから目覚めた人が2年後には文章で能力を発揮してるというのも、そんなに簡単にいくものなのかとやや気になった。
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  • それでも愛を誓いますか?

    萩原ケイク

    30代夫婦の危機
    2025年8月29日
    専業主婦になって社会から隔絶し経済力をなくした妻の寄る辺なさとか、横暴な父親を見て育った夫の親になることへの不安とか、昇進をほのめかされて果たされない時の失望とか、老いた親への愛情と嫌悪感の入り混じった気持ちとか、きょうだい間の不平等への不満とか、現代人が多かれ少なかれ感じているだろう心情が非常にうまくすくい上げられている。
    一回りも年下の若い男にまっすぐな思いを向けられるのは読者に夢を見せようとしているのだろうが、男の性格や主人公にひかれていく過程を丁寧に描くことで無理を感じさせない。荒唐無稽の同義語としてのマンガ的なところがほとんどなく、迫真性で読ませる作品。
  • ミギとダリ

    佐野菜見

    美形で笑える
    2025年8月28日
    母を殺した犯人を探すために2人で1人を演じる双子の物語。

    とあらすじを書くとミステリーっぽいが、大筋はギャグ漫画で、美麗な絵と双子のやってることのばかばかしさとのギャップから生まれるおかしみを楽しむ作品。最後はミステリーとしてもきっちり片をつけ、大団円。作者が若くして亡くなってしまったのは惜しまれる。
  • trash.

    D.P/山本賢治

    勢いのある殺戮物語
    2025年8月27日
    女子高生の2人組の殺し屋が明るく仕事を果たしていく。ほかにも多彩な殺し屋たちが登場して、テンポよく人が死んでいく。死に方もとにかくスプラッターで、真っ二つにされたり、強力な銃器で吹き飛ばされたりして、中身をぶちまけがち。
    殺し屋たちは街中で対戦車砲をぶっ放したり、ヒーローもののようなコスチュームだったりで、現実感は皆無。超人たちによるバトルものに近い。
    テコ入れなのか、途中からエロの回数も嗜虐度も上がっていったけど、絵柄のせいか全くエロくない。スプラッターなのにあまりグロく感じないのも同じ理由だろう。
    主な登場人物たちがたどる末路も、この手の物語としてはまあそうなるよなって感じで、グロが苦手でなければ全体としてはまずまずのエンタメだと思う。
    死んだはずの妹がモンスター化して出てきたことと、最後のライバルに弾が当たらないことの理由が作品内で明らかにならなかったのは減点要素かと。
  • おくることば

    町田とし子

    向き合うことの難しさ
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ よかれと思ってしたことが人を傷つけたり、逆に自分のためにしたことが人に感謝されたり。思い込みやごまかし、人任せなど、真実や自分の弱さ、醜さに向き合うのは難しかったり。
    それぞれに心を持った人間が関わり合うとき、いろいろな行き違いや葛藤が起こり、何が正しいとか、誰が悪いとか、一概に言えることなんかほとんどないということを見せてくれるところがいい。
    ただ、どんでん返しを可能にする家族の意思、これはいただけない。家族ならこんなことはなかなか言えないし、しかもそれが2組もというのは無理があると思う。
    あと、幼なじみの顔が怖すぎる。どう見ても狂気じみた犯人顔だけど、ラストから振り返るとなんでこんなに怖い顔してたのかわからなくなってる。後書きによると構想の揺らぎのせいらしく、話が固まってないならどう転んでもいい顔に描いといてほしかった。
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  • 少年のアビス

    峰浪りょう

    現代の地獄めぐり
    ネタバレ
    2025年8月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ さまざまな地獄が次々と繰り広げられる。ある少女が地方という地獄からの脱出先として憧れた東京も、別の少女をもっとおぞましい地獄に落とした場所でしかない。この地獄から逃れるには心中という絶望的な解決策しかなく、物語は主人公が女性と交わした心中の約束を軸に展開する。しかし物語は最後に、冒頭の心中の約束を鮮やかに反転させる。それは曲の初めに登場した短調の旋律が、最後に長調になって戻ってくるのに似ている。
  • クソ女に幸あれ

    岸川瑞樹

    才能はあると思う
    2025年8月12日
    いろいろ描きたいことがありそうで、それをあるいはエモく、あるいは鋭く描く腕は持っているけど、バラバラな感じ。〈あれっ、前は〇〇って描いてたのに…??〉〈えっこんなに掘り下げといてそれだけ…??〉などと感じることが多い。
    人物の心理を丁寧に描いているが、その心理を生んだ状況とマッチしていないので、せっかく細かく描いても宙に浮いた感じがする。登場人物のセリフや内言で心理を説明することが多いのは、少年誌だからというだけでなく、心理と状況が必然としてつながっていないのを作者の理屈で強引に結びつけようとしている面があるだろう。言ってみれば人物が作者の代わりに言い訳をしているのであり、人物が生身の人間ではなく、作者の人形のように感じられてしまう。もっと行動や表情、状況それ自体から読者に読み取らせるようにした方がいい。
    絵はかわいいし、個々のエピソードをエモく描く能力は高いので、この人の読み切りや短編を読みたい。
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  • 君は放課後インソムニア

    オジロマコト

    青春そのもの
    2025年8月12日
    不眠症の少年・中見は高校の天文台で眠る少女・曲に出会う。心臓に欠陥を抱える曲は眠りのうちに命を落とすことへの恐れから、中見は幼いころ寝ているうちに母親に去られた心の傷から、夜に眠れなくなっていたのだ。不眠症の二人は天文部員として行動を共にするうち、心を通わせ、互いをかけがえのない存在としていく。
    柔らかな線で描き出される女の子、自然、街並みは情感豊か。説明的なセリフやナレーションに頼らず、擬音すら排した静謐な情景描写によって読者を説得していく。登場人物は脇の一人一人に至るまで血が通っており、それぞれに優しく誠実で、精いっぱい生きている。
    傑作。
  • 初恋ゾンビ

    峰浪りょう

    初恋+スケベ=初恋ゾンビ
    2025年8月11日
    多くの男は初恋を実らせることはない。でも忘れ去ることもできない。初恋の相手は理想化されて心の中に住み続ける。ーーそんな男の恋のあるあるをカタチにして心の外に可視化したのが初恋ゾンビで、セクシーに理想化された女の子たちの幻が、憑依霊のように男たちの頭上を漂っているのだ。
    主人公の初恋ゾンビであるイヴ、初恋の相手でイヴのモデルの指宿、幼なじみのグラマラス美女・江火野の3人のヒロインがそれぞれ魅力的で、初恋ゾンビが見える特殊能力を持つ主人公・タロウと作る四角関係がどうなっていくのか、先が気になる良作。ただ初恋ゾンビという設定が特殊であっただけに、完全には処理しきれなかった感があるのが惜しい。
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  • 湯けむりスナイパー

    松森正/ひじかた憂峰

    これぞ劇画である
    2025年8月10日
    平穏な暮らしに憧れて殺し屋をやめた中年男・源さんが、再就職した秘境の温泉宿で出会う人間模様ーー。
    男くさ〜い劇画の世界をこれでもかと堪能させてくれる。話は初めのうちはオチもひねりもないエピソードの羅列だけど、それでも絵柄と源さんのキャラの濃さで十分成り立っている。それが後になるにつれて話も深みが出てくる。こうなると無敵だ。
    同じ作者が小池一夫を原作に迎えた時代物『片恋さぶろう』もおすすめ。
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  • 憧れの公爵令嬢と王子に溺愛されています!? 婚約者に裏切られた傷心令嬢は困惑中【単話版】

    司代こえ/頼爾/鳥飼やすゆき

    印象が弱い
    2025年8月7日
    ライトノベルの受賞作のコミカライズ。魅了の呪具を使う令嬢に婚約者がたぶらかされるというよくある話だが、それを5組のカップルに拡大し、それぞれのその後までたどるのが個性か。コンプレックスまみれのヒロインが両親や新しい婚約者である王子の愛を信じられるようになるまでの成長物語……なのだが、読み終えて印象に残った場面やカット、セリフがない。それなりにドラマが起きているはずなのに平板で、淡々と終わったように感じてしまった。
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  • あそこではたらくムスブさん

    モリタイシ

    低山をピクニックするかのよう
    2025年8月5日
    まじめな男女が少しずつ距離を縮めていくさまを描く。普通なら山あり谷ありにしそうなところ、谷はほとんどなく、ただゆっくりゆっくり登っていって、登り詰めたところで終わる。展開のしかたとしては珍しいかも。

    ムスブさんはまじめだけどカチコチではなく女性的な柔らかさに満ちていて、少しずれているところがいかにもおぼこっぽくてかわいい。そんなムスブさんを砂上くんがひたすら大切にしているのがいい。
    作中のムスブさんの母親や友達と同じように、あたたかく見守りたくなる二人でした。
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  • ヒメゴト~十九歳の制服~

    峰浪りょう

    大人への通過儀礼
    2025年7月30日
    欲望を持て余した3人の若者の、あまりにも濃厚なひと夏の物語。ラストが象徴するように、もう高校生でもない、けれど大人ともされていない(当時は20歳で成人)19歳は、大人になるためにさなぎの中のようなどろどろのリビドーと格闘しなきゃならないってことだろう。
  • 寓話-アレゴリア-

    榎本ナリコ

    古典と二重映し
    2025年6月21日
    伝説や昔話、古典というべき有名な話を題材にしているけれど、単なる翻案ではなく、作者のフィルターを通して取り出されたエッセンスを、現代の若者の話を作るのに利用している感じ。いつもの榎本節とも言うべきもの悲しい味わいとともに、作者の話作りのうまさも楽しめる。さすがです。
  • リボン-RE-BORN-

    榎本ナリコ

    生と死と他者と
    2025年6月20日
    生と死と他者。この3項目のさまざまな組み合わせを試した短編集。どの話も手際よくまとめられているし、難しいテーマを扱っていても適度に人物のセリフによって主張が説明されるのでわかりやすい。あとがきに作者自身による丁寧な作品解説がついているのもいい。この作者にしては希望を感じさせるほの明るいラストが多い。
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  • センチメントの行方

    榎本ナリコ

    性と心
    2025年5月18日
    さびしさ、かなしみ、追憶、断絶、喪失感、絶望といった心の動きと性の関わりを描かせたらこの人の右に出る者はいないのでは。透明感のある絵柄も内容にふさわしい。
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