可愛い義妹が婚約破棄されたらしいので、今から「御礼」に参ります。
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可愛い義妹が婚約破棄されたらしいので、今から「御礼」に参ります。

桜井しおり/春先あみ

婚約破棄に倍返し!

ネタバレ
2025年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ よくある婚約破棄からの、御礼参りどころかこれでもか!とトンデモスケールでコテンパンにやっつける!兄と兄嫁のお話。可愛い義妹マーガレットは、か弱くて。兄と兄嫁に守られるだけの存在だったけど、彼等を見て次第に強くなって行く。完結編でのマーガレットの成長ぶりは胸熱です。物語も丁寧に描かれていて、婚約破棄されたマーガレットは実は脇役。兄のロベルトの苦悩や生い立ち。彼等を支える圧倒的に強くて正義感溢れる兄嫁で物語の主人公であるローゼリアの包み込む様な優しさと愛情。それらがつぶさに描かれていて。
婚約破棄の御礼参りに王太子の属する国を離れて公国を爆誕させ、本当に臣民の為になる国作りまでやってしまう。倍返しだ!とばかりに活躍するローゼリア達。そもロベルトには心を壊された父や病に倒れた母の、祖国への復讐の意味もあって、などと。物語が進むにつれてただただ優しい夫というわけでは無く、美しい顔に隠された泥臭い人間味が露わになって行く様もあったりして。お綺麗過ぎる正義では無いのも逆に好感が持てます。一つ気になったのは、物語の終盤にあっても、独り立ち出来たマーガレットに伴侶は明確にされていない。順当に行けば、登場からずっと彼女を慕って来たシリウスだろうけど。彼は勇者の息子では?というフラグが回収されて無かったので、そこ深掘りし過ぎると物語がやたら長くなってしまうから端折られたのかなぁ、なんて。シリウスもそんな後ろ盾が無くても立派になったので、逆にそのフラグ必要だったのかな、とも思います。そもそもの発端、王太子も国王も、傾国の美女というには軽薄過ぎる男爵令嬢もしっかりザマァされてスッキリ。でした!
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