ワイングラスの向こうに
」のレビュー

ワイングラスの向こうに

佐々木潤子/レベッカ・ウインターズ

ワインの香りと盛りだくさんな人間ドラマ

2015年2月2日
もう、すごいです。130ページに内容てんこ盛り。ビックリするくらい。よくここまで盛り込んでまとめたもんだと脱帽。主人公のレイチェルはワインの買付でやって来たフランスでリュクに出会います。レイチェルは祖父、父娘、双子の姉妹などいろんな人間関係を背負っています。リュクも元妻、元妻の家族、会社、といろんなしがらみを背負っています。もしかしたら原作でのリュクは安楽死の是非にも悩んでいたのかもしれません。とにかく二人ともとんでもなく複雑な問題を背負いきれないほど背負っています。が、それを130頁にまとめているところがすごいです。全部を理解するのには少なからず忍耐をもって読む努力が必要ですし、詰め込みすぎだとは思うのですが、私は十分に楽しめました。おそらくレイチェルにブレがないからだと思います。複雑な話ではありますが、根本は二つ。ワインの素晴らしさ「熟成した酸味のバランス、芳醇で上品。ああ…」と、祖父の教え「神様が巡り会わせてくれる人生でたったひとりの人だ。その日が来たらきっとお前にもわかる」の二つできれいにまとめられていると思います。のんびりゆったり気持ちに余裕があるときにお読みください。★めざせハーレ100レビュー26
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