リアル中のリアル

ネタバレ

2025年9月3日

このレビューはネタバレを含みます▼ 青春時代にトリップしてしまったかと思いましたよ。由井にとって“陽キャ”が謳歌する青春は「酸っぱいブドウ」。リアルな“陰キャ”由井の前にスルッと現れるピュアすぎる“陽キャ”八戸。このリアルすぎる由井に対してあり得ないキャラの八戸という構図が、少女漫画すぎて腐女子の心にぶっ刺さりまくる。ただ読んでいるのは世間知らずの少女ではない。こんな“陽キャ”がいたら最高なのにな。地味で卑屈な“陰キャ”をすくい取ってくれる王子がいてくれたらいいのにな。でも当然そんなのいなかったもんな。ここで由井が男の子であるがゆえに自己投影しすぎずに済み、創作物として一線置いて楽しめるのです。しかし由井の苦悩は増すばかり。あー、読むのがつらいような、なぜかいつかの思いが昇華されるような、不思議なお話でした。

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キャベツさん

(女性/40代) 総レビュー数：2621件

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