このレビューはネタバレを含みます▼
母親の経営する家事代行業で働く春乃陽太が依頼を受けた家を訪れます。高級マンションをゴミ屋敷としてしまったのは様々な分野のお話を手がける小説家で、〆切前は無精髭姿、修羅場を抜けるとダンディな木久島静佳でした。木久島さん家のお仕事をするようになった陽太は、持ち前の明るさとおせっかいを発揮してグイグイとバツイチ子持ちの作家先生の懐に分け入ってゆきます。陽太の同級生で一緒に働く丹沢寛治、木久島に懐いている前妻の連れ子・みなとくん、2巻で登場する亡くなった親友の弟でみなとくんの叔父にあたる編集者・西条明利らが個性豊かに脇を固めます。親友の亡くなる前の願いを受けてその妻と再婚したものの、仕事と結婚生活とを両立できなかったことで自己肯定感の低い木久島を、素直な陽太が天然さで煽りつつ支えます。陽太に片思いしていた丹沢と木久島に片思いしていた西条とのお話が『年下の隣人に世話されています』隣同士に住む個性的かつ一途な二人のスピンオフは、ここで始まり単行本に続きます。