6番目のセフレだけど一生分の思い出ができたからもう充分
」のレビュー

6番目のセフレだけど一生分の思い出ができたからもう充分

SKYTRICK/渋江ヨフネ

面白いけれど、あえての星1

ネタバレ
2025年9月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 設定にはヒネリがあるし読み応えもあるにはあるが、難点が多く評価が難しかった。

ただ、まず貧困DV家庭の問題をこういう形で扱うべきではないと思う。教師も、たまに飴や菓子パンを与えるだけだなんて愚かすぎて話にならない。もっと違う形の支援に繋げるべきです。
これでは、簡単に都合の良い『悲惨で憐れな子ども』を創っただけになる。
ラノベのような、手に取り易い本でこそ、正しい知識・情報に則って戴けたらと思う。それで、あえての星1つ。

設定には、不必要なほど詳細な部分がある反面、重要な部分が最後まで曖昧なまま放置される。そこに合理性が見られず整合性もないので、いたずらに悲惨さを強調したいだけに見える。
心情の表現には手を替え品を替え、結局のところ同じことを何度も繰り返し書いているが、逆に必要なことが書かれていない。書きたいことだけ書いて面倒な所は放置している印象です。低評価レビューの方達、何人もそういう意味のこと書いてらっしゃる。激しく同意です。

それと(あれ?この人はこのこと知らないはず‥)とか思っていると後から説明?されるってケースが多い。この後付け的なやり口は印象付けには効果的でも多用されると読み手の気持ちが萎える。そして、後付けもされず放置されるケースもある。
純愛や溺愛を文字におこすと、美しくキラキラした表現になる場合と、やり過ぎでウザいサッブい文章になる場合があるが(←あくまで私見)、この作品はその両方が混在していて‥段々とサブい比率が高くなる。勿体ない。

結局、ヤケドや広範な傷痕の原因は何だったんだろう。傷の形状についても顔と身体それぞれ少しだけ思わせぶりな記述があるが、結局それっきりだし。
陽太の母親は昔から、体調が良い時には幸平やその弟にまで食事を振舞ってくれるような人だった。でも陽太は20才になるまで玉子焼きを全く食べたことがないって設定にも違和感。頻繁に食べてきた/食べてるコンビニ弁当にも入ってるよね?
又たとえば最終章で、陽太の母親と伯父(文中では叔父と誤表記されている)が陽太のマンションを訪ねるシーン。母親は思いがけず旧知の幸平と再会できたのに、挨拶だけでそそくさと帰ろうとするのも変じゃないだろうか。そもそも食事を作るつもりで食材まで持って来たのに、それをただ置いて帰るのって、やっぱり違和感がある。

他にも色々とあって‥私はモヤモヤです。
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