アノネ、
」のレビュー

アノネ、

今日マチ子

読者に模索させる作品

ネタバレ
2025年9月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ Cocoonが比較的分かりやすい物語だったのに対し、より空想と現実が複雑すぎるほどに入り混じった作品で、正直評価は難しい作品です。
実際の戦争であったことを物語特有の架空と脚色を加え、アンネの日記のアンネに近い感性を持った子、そしてヒトラーと近い人生を送った子を投入し、交流させてみたらという物語……なのかな。
物語をどう掴めば良いか模索しながら読んだ作品になりました。でも絵柄の力があってか、わからないなりに読む手が止まらなかった。
本当に人はわかり合えないのか、被害者である花子と加害者である太郎は、状況さえ違っていたらわかり合えていたのではというのがテーマなのかな。
結局わかり合えない未来(総統と言葉をとりあげられた被害者)もあるし、一時わかり合えた未来(言葉が無くても笑い合う二人)もあった。戦中の現実逃避場所が白い箱のなかで、シュレディンガーの猫のように生と死の可能性を描いたのかなと思いました。
そして戦中ではない現代の学生時代っぽい世界観(転生後?)で、出会わないという未来もあった…という感じなのかなと。

そう思えば最後作者さんの言葉を借りるなら、飴玉は宝石から永遠を引いたもの。
花子は太郎にとっての安らぎ、一時の飴玉になったけど世界一有名な加害者と被害者として永遠になってしまった……ということなのかもしれません。
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