このレビューはネタバレを含みます▼
いやぁ、エグい! 実にエグいね! めちゃめちゃ最高! ワンコ攻めタグがあったのですが、今のところ肉体的な関係はなくプラトニックでした。正直なところ、スケベとイチャイチャばかり求められるBLよりは、一般ジャンルで受け攻めナシで描かれた方が受けたんじゃないかな、という気がする。私個人としても、この作品には肉体交渉のないまま終わってほしさある。なぜなら、その方が最高だから(個人比)。暫定受けがものすごい陰の波動と悪役ムーブをかましてくる。が、最終的に自分のやってきた因業をそのまま返される運命に。その際、自業自得と呟いていて、今までやってきたことが悪行だとわかってるんですよね。わかっていてやってきたのに、返された途端メンブレ。からの心身喪失。いわゆるストレスが病気として肉体に出てしまうようになる。もうね、その因果応報自業自得のターン(3から5話)の受けの自責と絶望が最高の最高の最高なんですよね。ずっと見てられる。6話からBL的に必須なよしよし和解ターンに入るんですが、私的見所は3、4、5話なんだよなぁ。鬼気迫る絶望に引き込まれる。BLの良さは嫌な場面をコンパクトに展開できるところではあるんですが、これは一般漫画で単行本3冊くらい使ってみっちりねっちり描いてほしい内容だったな。せめて、上下巻で目一杯やってほしい。一般漫画なら名作評価でもBLは特殊ジャンルですから、BLという枠組みと狭い価値観で低評価されたら嫌の気持ちがある。暫定受け、控えめに言ってゲスなんだけど、熱量がすごい強い。悪役でも悪党でも熱量の強さって大事だし、私は大好き。ただ、こうした悪の熱量をBLカテゴリでは評価されないから惜しい。おそらく倫理観や好感度で評価されてしまう。私もBLで読むなら、そういう目で見るからわかる。でも、これはBLの枠を超えて面白いので、BLの価値観だけで読まないでほしいと読者に願います。でも、オチを見たら気が変わるかもしれん。オチも大事だから。私には、3、4、5巻がドチャクソ刺さった。以降、汎用的なイチャBL展開に繋がるくらいなら、いっそここで終わってほしさすらある程良かった。単行本楽しみです。