光が死んだ夏
」のレビュー

光が死んだ夏

モクモクれん

アニメとは違う作画の迫力

2025年9月14日
アニメ化をきっかけに原作を読むことにしました。ホラー要素にはあまり期待していなかったのですが、独特の表現による空気感、音、呼吸や質感まであらゆる五感を簡単に想起できる工夫に満ちており、ちゃんと不気味でした。日本の民俗学的な要素も一般化されてうまくフィクションに落とし込まれており、それが作品全体に言い表しがたい緊張感を与えています。
その上で、キャラクターたちの繊細な感情の機微や動揺がしっかりと描かれ、超常的なテーマでありながら現実の延長であるように感じられます。
どこまでも丁寧で精緻に作り込まれた作品であり、一読の価値ありです。
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