毒を喰らわば皿まで
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毒を喰らわば皿まで

十河/斎賀時人

一気に読めたけど…まぁまぁエゲツナイ

ネタバレ
2025年9月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小説としては読ませる力のある作品で、作者さんもすごいのだろうと思う。そこは高評価です。
謎解きでは無いですが、どうするんだろう?と気になる展開で、引き込まれてました。
でも、登場人物がほぼほぼヤバい人達で、いい人っぽくなっていても、そもそもの部分を考えるとみんな酷いよね。とりあえず、魔獣による獣カンいる?病み上がりの少年をセイドレイにする必要ある?ヤク漬けも…。贄巫女から王太子の婚約者に引き上げたのは王太子の決断なのに、返金しろは筋が通らないし、結婚支度金扱いが妥当じゃない?復讐として一族郎党皆ゴロしもあり得る流れかもしれないけど、あくまて乙女ゲームの世界観って設定ならそぐわないと思う。男性向け18×ゲームの世界観ならありそうだけど。
いくらバッドエンドやら闇ルートやらがあるとしてもね。
それより、お前は親に売られたんだと教えてやれば良いし、結局、龍を解放して娘が聖女となるなら、それだけで復讐になったのに。
罪もない姉たちへの獣カンは、それだけでもドン引きだけど、それを見せられてなお、主人公につく騎士団長の騎士道の無さに呆れてしまって魅力半減となり勿体無かった。
悪徳な宰相という設定だけど、中途半端に忠臣設定で、でも騎士団長の婚約者を奪ったのは事実だよね?実際は抱いたよね?記憶が戻ってからは善人と言うなら獣カンが違和感。
あと、本来のゲームヒロインが酷すぎる。こんな頭の悪い直情型の少女のどこに惚れたの?最後までこの少女を妻に望む王太子の神経を疑うし、取り巻き達もみんな恋をしていたみたいだから、人としてのレベルが低いな〜と、マイナスポイントでした。
まぁ、陰湿な復讐劇が好きな人には喜ばれると思います。
主人公の娘も、悪評された人物が急にあそこまで聖女になるのも不自然。竜巫女がしんどい役割というのは嘘だったんでしょ?演技だとしてもあそこまでなる?
一度読む分には面白いけど、何回も読み返すには胸糞エピが多い。
後半の主人公と騎士団長の静かな時間を過ごすあたりは好きでした。
似た設定のアニメがありましたが、そちらの方が悪ぶっていても人としての正義はあって良かった。この作品も、現代日本の感覚で生きている設定なら、もう少し節度ある範囲にしてくれたら良かったのにな。まぁ、元々サイコパスならしかたないけど。
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