キリング・ストーキング
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キリング・ストーキング

クギ

問題作だけど名作!考察が捗ります

ネタバレ
2025年9月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 他の闇BLが可愛く見えるくらい内容がとにかく過激で重くて感情をかき乱されます!結末が気になって一日で読んでしまいました…
ただ暴力だったり痛い描写が苦手な人は要注意です。

考察読んで気になったところ読み直そうにも開けば死体がでてくるから夜中に読み直すのは厳しかった……昼間に読み直してどっぷり世界観にハマっちゃいました。

2人とも虐i待サバイバーでウジンは境界性パーソナリティ障害、サンウは言及はありませんが反社会性パーソナリティやら複雑性PTSDを感じさせます。
犯罪心理学が好きな人は2人の関係や心情を深めるのにウキウキしちゃうじゃないかなあと。
サンウはヘンリーリールーカスを彷彿とさせるという考察を読んだんですが私は2人のを見てエドワード・ゴーリーのおぞましい2人(ムーアズ事件)を思い出しました。 サンウの死に方もちょっと似てるんだよな…
ただ普通の犯罪者と違ってサンウが嫌いになれない、なんとなく愛しいと感じさせてくる表現に脱帽です。めっちゃ悪人ではあるけど最初から悪ではなかったり…ヤッた後殺すけど自分から誘って殺してる訳でもないしなあとか…無茶苦茶な理論で擁護してしまいます笑

この2人の関係性はBLというには違うし共依存でもないし…サンウの気分次第で変わる不安定な関係です。
犯罪者なので最初から幸せにはならないだろうと分かってるからこそ刹那の心を通わせているように見える瞬間があまりにも尊いです。

サンウの狂気的な試し行為に翻弄されながらもちょっとした優しさ(気まぐれ)に愛を感じずにはいられないウジン可愛い…ただ盲目的って訳では無いのがこの作品のラストにかけて重要になると思います。
サンウはウジンの事をいつでも殺せたでしょうが、失うのが少しでも怖いと思っている描写に心を打たれます。でも母親の呪いでウジンにも懐疑的になってしまい破滅に向かっていく姿が悲しくて仕方ないです。

2人の間に愛があったのかですが
私はサンウの俺が死んだら後を追えという言葉が大好きなんですよねー!!
愛と陳腐に言わないけど傍にいて欲しいという思いは確かにあったんだなということだけでこのお話を読んでてよかったなあって感じさせられました。

めっちゃネタバレですが最後の車の運転手スンベという作者談に辿り着き…どこまでも救われなくて最高です。
痛々しく記憶に刻み込まれる作品になりました。
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