四人のにびいろ
」のレビュー

四人のにびいろ

akabeko

作者のあとがきで解像度が上がる

ネタバレ
2025年9月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヤクザ一家の異父兄弟が、主従関係や抗争に巻き込まれながら、お互いが唯一無二の存在になっていくお話。
最初の方は、誠のハチャメチャっぷりや、そんな誠に文句も言わず付き従う相の考えが良く分からず、そこに極道ならではの難しい関係性が絡んできて、良く内容が分からなかったです。特に、何度も関わるなと言われているのに考えなしに突き進んでくる勇くんにはとてもイライラしました。
しかし物語が進み、誠と相の歪ながらも濃い血の繋がりを理解していくと、急に解像度が上がっていきます。そして、その理解度を一気に上げるのが作者様のあとがきでした。「濃縮還元の近親相かん」だったり、「胎内回帰」だったりと、分かりやすい一言で物語を表現してくれたことで、なるほどとストンと全てを納得できた気がしました。
相と誠、互いが互いを一番意識していて、それが一番のこだわりで愛だということを自覚した途端、急にラブラブ度が増したのも良かったです。イライラした勇くんも六の救済には必要な人材だったんだなと最後には納得できました。血の繋がりこそ最強だという相の思いに一番頷けた気がします。
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