霊能者ですがガンになりました
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霊能者ですがガンになりました

小林薫/

医者あるある

2025年9月25日
斎さんの主治医も『俺は偉い』という心の声が駄々洩れだったようですが、まさに医者あるあるですね。斎さんがたまたまそんな医者に当たったというわけではないと思います。斎さんの主治医のように態度だけはえらそうなんですが、そのくせ自分の専門分野以外は門外漢な医者も多く、視野が狭いので大局的な判断が苦手で、あくまで各医者の専門内での局所的な判断しかできない人が多いため、その結果として山本まゆりさんの漫画「せんせい、誤診です!」みたいなことになっちゃうんですよね。山本まゆりさんの場合は医者の診断が誤診であることが判明して本当の原因が見つかったから良かったようなものの、婦人科の医師は脳腫瘍の可能性を一顧だにせず、単なる婦人科の症状にすぎないと思い込んでいる節があり、脳神経外科を勧めた眼科医も自分がやらかした誤診を笑って誤魔化すような人で…。これ、「何はともあれ治って良かった」で済む話なのか?という疑問しか湧かないですね。山本まゆりさんのように運良く大元の原因(脳腫瘍)に誰しもが辿り着くとも限りませんから。ごく一部の症状だけを見てあちこちたらい回しにされた挙句、結局何が原因なのかわからないまま、医者が本当の原因に気付くかどうかは運次第、というような事態も十分ありうる話です。そう考えてみると、ホラー漫画より実際に人間のやらかすことのほうがよっぽどホラーなんじゃないかと…。ダンディの手腕については私が知る由もありませんが、斎さんのご冥福をお祈りいたします。
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